地盤改良・地盤補強の地盤に関する大切なこと

地盤改良・地盤補強などの地盤に関する大切なこと

長く住む家を建てるためには土地が必要になります。

  • 近くにどんなお店があるのか?
  • 職場までの通勤路は混んでいないか?
  • 子供が通う学校の評判はどうか?
  • 通学路に危険な個所はないか?
  • 実家に帰るのに、利便性は悪くないか?
  • 周辺はうるさくなく落ち着いて住めそうか?
  • 近所の人たちと仲良くしていけそうか?
  • 建てたい家を建てるのに十分な広さはあるか?
  • 趣味や子供が遊ぶ庭は取れるか?

このように、多くの点が気になってくることでしょう。数十年住むつもりで建てる家であれば、その場所選びはとても大事ですよね。

一方で、土地を選ぶ際にはその立地だけではなく、地面・地盤がどのような状態であるか?という点もとても重要な要素になっています。しかし、地盤のことなんてよくわからないし、建築会社さんに任せておけばよいでしょ。と思ってしまいませんか。

最初はそれでもいいかもしれませんが、少しずつ地面の上に立てる家の設計が進んできた辺りでは、簡単にでも地盤のことを勉強し、少しでも知識を身に付けて置くことをオススメします。

今回は、わかりにくい地盤のことを少しでもわかりやすく解説し、何かあった時に後悔しないためには、どのような点に気を配ればよいか確認していきます。

地盤改良・地盤補強は分かりにくい

土地の地盤やその地盤を家を建てれるようにする地盤補強工事というのは、とても重要です。しかし、一般の方にはもちろん建築会社の方でさえ、専門業者に任せきりにしてしまう場所もあるほど、わかりにくいのが実態です。

場所にあった地盤補強工事が行われていなかった場合のリスクや、実際にどのような地盤補強方法があるのか、確認していきます。

地盤改良・地盤補強が不十分な場合のリスク

地盤は、理想の住処を建てる上でもっとも基礎的な大事な部分です。何となく、地盤がしっかりしていないと、よくないことが起きてしまうのは予想できますよね。地盤補強とは、家を建てる場所ごとに異なる地盤を確認し、家を建てても問題ないように補強していくことを言います。

実際、地盤の補強方法が適切でなかったり、十分でなかったりした場合にはどのようなことが起きるのでしょうか?

  • 基礎のひび割れ
  • 家全体の傾き
  • 基礎のずれ
  • 屋根や天井からの雨漏り
  • 家のある部分で扉が閉まらない
  • 下水のあふれ
  • 排水異常

このように、家の至るところに大きな影響が発生し、最悪の場合には日常的に生活をしていくことさえ困難になってしまう可能性があります。住めないだけならまだしも、地震によって家が倒壊しやすくなる可能性すらあるため、命の危険に及ぶ場合もあります。

最近では北海道地震や、東日本大震災では千葉県で、大きな地震で地面が揺らされたことにより、地盤の液状化現象が起きました。多くの住宅に被害が出ていましたが、適切な地盤補強工事を行っていないと、同様の現象が発生する恐れがあります。逆に言えば液状化に強い地盤補強工事を行っていた住宅の被害は、それほど大きくなかったはずです。

専門家だからと言って、地盤補強を扱う業者さんに任せきりにせずに、少しでも知識を得て家を建てる本人が話ができるようにするのがオススメです。

地盤改良・地盤補強の種類

地盤改良には、土地や建築する建物によって、さまざまな種類の補強方法があります。

  • 表層改良
  • 柱状改良
  • 既製杭・木杭
  • 鋼管杭
  • EPS
  • シート
  • 砕石パイル工法
  • ハイブリッド工法
  • 場所打ち杭工法
  • パイルド・ラフト工法
地盤補強工事の種類

地盤補強工事の種類

とてもたくさんの種類の地盤補強工事がありますが、それぞれを細かく理解する必要がありません。まずはこれだけの種類があり、改良工事が必要な場合は地盤によって使い分けていることを把握しておきましょう。

地盤調査などが進むにつれて、段々と言葉が分かるようになってくるので、自分の土地がどういう状態だから、この補強方法が選択されるのか。と納得できるようになると、心配なく工事を任せることができます。

地盤補強の中の地盤改良

地盤補強工事の中で、もっとも一般的で住宅向けにもよく利用されるのが地盤改良です。家を建てる上で軟弱な地盤がどの程度の深さあるかによって、対応方法が変わってきます。

地盤改良の表層改良

表層改良は、家を支えてくれる固い地盤が表層から2m以内の比較的浅いところにある場合の補強方法です。残土が多く工事日数がかかるので、コストが高くなりがちで、固化材と土を均一に混ぜるのに技量が必要なため、品質に差が出やすいです。

  1. 基礎になる部分の地面を掘り、そこを平らにします。
  2. セメント系の固化材を配合量に合わせて入れます。ここで、固化材は土と配合することで、強度を増すことができる材料のことです。
  3. 固化材と土をむらなくまぜていきます。
  4. 重機で押し固めた後に、ローラーで均一に固めていきます。
  5. 2~4を家を建てる高さになるまで繰り返します。

このような手順で行っていきます。技術がある地盤工事屋さんに依頼できるのかを建築業者さんに確認しても良いかもしれません。

表層改良

表層改良

地盤改良の柱状改良

柱状改良は、軟弱層から固い地盤である支持層までの深さが8m以内であるときに使われる補強方法で、コストが安いのが特徴です。多少残土が出ますが、量は多くないため、処理費用もそれほど高額にはなりません。

  1. かくはん機でかくはんしながら、固化材を注入し、掘削を進めていきます。
  2. 既定の固化材を全量注入します。

穴を掘りながら、そこに必要な固化材を投入し、同時に土と混ぜ合わせていくというシンプルな手法ですね。

柱状改良

柱状改良

地盤補強の小口径杭

小口径杭は、柱状改良と似ていますが、軟弱層がより深い場所にある場合に採用される地盤補強方法です。

地盤補強の既製RC杭・木杭

既製RC杭や木杭を用いて、家を建てる部分から固い地盤に到達するまでその杭を複数本打ち込んでいく工法です。残土が出ないことが特徴で、軟弱層から支持層までの深さが2m~15m程度の場合に使われます。

  1. 防腐防錆処理をした木材やRC材を、固い支持層に到達するまで差し込んでいきます。
  2. 同様に、必要な本数を差し込んでいきます。

手順は柱状改良と似ており、比較的簡単そうに見えますね。しかし、途中で大きめの石がたくさんある層にぶつかる場合などは、上手く工事できない可能性もあります。

既成RC杭・木杭

既成RC杭・木杭

地盤補強の鋼管杭

既製RC杭や木杭の代わりに鋼管の杭を用いる方法です。非常に大きな効果としては、深い軟弱層があっても支持層があればよく、液状化対策にもなる工法です。

  1. 鋼管杭を回転させながら、支持層に到達するまで差し込んでいきます。
  2. 同様に、必要な本数を差し込んでいきます。

進め方は、基本的に既製RC杭や木杭を用いる場合とほぼ同様ですね。ネックになるのはコストが高いことですが、液状化の対策になるならば、高くてもきちんと行っておくべきでしょう。

鋼管杭

鋼管杭

地盤補強のその他の工法

地盤改良や杭を複数本差し込んでいくのが一般的な地盤補強方法ですが、それ以外にも多くの補強方法が開発されています。それぞれ状況に応じて向いている工法が異なりますので、確認をしていきます。

地盤補強のEPS

EPSは発泡スチロール土木工法の略称です。地盤補強なのに発泡スチロールを使うのか?と疑問に思う方も多いと思いますが、軽量で圧縮に強く耐水性を兼ね備えている発泡スチロールは優秀な材料と言えます。

  1. 地面を必要なだけ掘り下げ、平らにならします。
  2. EPSをきちんと敷き詰めていきます
  3. 基礎に必要な鉄筋を配置します。
  4. 基礎の型枠を作り、コンクリートを打ちます。

この工法は、軟弱層が深くても対応可能で、狭い土地にも使えます。また、将来的に撤去が簡単なので、土地の再利用を考える場合には有効です。

一方で、液状化には弱く残土も多いので、非常にコストが高くなってしまいます。場所を選ぶ工法ですね。

EPS

EPS

地盤補強のシート工法

シート工法は世界中の空港にある滑走路や高速道路・路線などで採用されている実績のある工法です。GRRシートと呼ばれるものを縦横に交差させながら敷き詰めていくことで、強度を保ちます。

  1. 地面を適切な深さまで掘るり、砕石を敷き詰めます。
  2. 砕石の上から振動ローラーなどで圧力をかけます。
  3. GRRシートを2層にわたって敷きこんでいきます。
  4. 基礎の砕石を敷き、圧力をかけていきます。
  5. 基礎を打ち、隙間の部分を埋め戻していきます。

EPS工法と同様に軟弱層が深く、狭い土地でも対応出来、将来的には撤去が簡単です。しかし、液状化には弱く、新しい盛り土と軟弱層のバランスが悪い場所には適用できません。

シート工法

シート工法

砕石パイル工法

砕石パイル工法は、掘削機で掘った穴の中に砕石を敷き詰めていくことで地盤を貫く杭を作りあげていく工法です。自然のものを使いますので、非常に環境によいところが特徴です。

  1. 掘削が必要な位置に掘削機をセットし、回転させながら掘削していきます。
  2. 必要な深さまで掘削したら、砕石を詰めていきます。
  3. 先端のスクリューを回転させながら砕石へ圧力をかけゆっくり締め固めていきます。
  4. 地表面まで砕石を固めきれば補強工事の完了です。

砂系の地盤には特に向いている工法ですが、液状化対策になるかは現時点でも明確になっていません。また、支持層までの深さは5m程度までなので、あまり深い場合には他の工法を使用するべきです。

砕石パイル工法

砕石パイル工法

ハイブリッド工法

ハイブリッドには二つのものを組み合わせるという意味がありますが、地盤改良におけるハイブリッド工法も柱状改良に鋼管杭を組み合わせる方法です。

  1. 必要な深さの穴を掘り、固化材を投入してかくはんしていきます。
  2. 全体をかくはんし終えたら、そこに鋼管を差し込んでいきます。
  3. 後は必要な本数分、同様の作業を繰り返します。

柱状改良と鋼管杭の良い点を組み合わせながらも、費用は柱状改良とほぼ同額で行うことができます。一方で、液状化対策には不向きになりますので、注意が必要です。

ハイブリッド工法

ハイブリッド工法

場所打ち杭工法

場所打ち杭工法は柱状改良やハイブリッド工法と似ていますが、最終的に開けた穴に充填するものや方法が異なっています。セメントミルクというコンクリートの一種を充填することで、固定していきます。

  1. 穴をあけ、打ち込みたい場所に掘削機の位置を合わせます。
  2. 所定の深さまで掘削機を回転させながら圧入していきます。
  3. セメントミルクを吐出しながら一定時間保持します。
  4. セメントミルクを吐出しながらゆっくりと引き上げていきます。
  5. 最終的には所定の高さになるように位置を合わせます。

沈みやすい層が厚くても施工可能で残土も出ません。費用も柱状改良と大差がありませんので、それほど高くはありません。ただし、壁の近くではセメントミルクが流れ出してしまう可能性があり、また液状化が想定されている土地には不向きです。

現場打ち杭工法

現場打ち杭工法

パイルド・ラフト工法

必要最小限の杭を打ち込んで、建物を支持する方法で杭を支持層まで打ち込まないのが特徴です。支持層まで杭を打ち込まなくてよいですが、詳細なシミュレーションが必要で難易度が高く、そもそも住宅には向きません。

  1. 細く短めで支持層まで届かない鋼管を地面に埋めこみます。
  2. 柱状改良よりも多い本数を打ち込んでいきます。
  3. 基礎を打ち込みます。

杭自体が細いので狭い土地でも施工可能で、撤去も他の杭を使うものよりはしやすいですが、液状化地域や軟弱層に傾斜がある場合には不向きです。

住宅向けで使われることはほとんどないでしょう。

パイルド・ラフト工法

パイルド・ラフト工法

まとめ:地盤工事の知識がある建築屋さんを選ぼう

住宅を建てるうえで、もっとも重要だといっても過言ではない地盤補強ですが、家を建てたい方の多くはあまり気にしません。地盤補強工事が必要であることが分かり、状況によっては想定を超える費用が必要になって初めて気にする内容です。

しかし、土地に合わせた、適切な地盤補強工事を行っていない場合には、家の傾きやそこから生じる雨漏りにドアが開かなくなるなどの実害が出てきます。また、基礎にひびが入ることで家自体がもろくなり、地震などに対する強度が弱まることで最悪の場合には倒壊してしまうことすら考えられます。

しかし、地盤に関してしっかりと理解しながら家を建てていくことは簡単ではありませんし、限界があります。そんな時には、実際に家を建てる調整をしてくれる建築会社の方に対して、地盤の話を聞いてみましょう。

営業の方自身が答えられなかったとしても、設計をしている方や取りまとめをしている方がきちんと地盤に関して勉強をしていれば、大きな失敗は避けられます。地盤補強が足りていなかったり、逆に不要な工事で払わなくてもよいはずの費用を払わざるを得なくなるのは残念ですよね。

自分自身はまず、自分たちが家を建てようとしている地盤に興味を持ち、どうすれば安心して住める家が建てれるのかは、知識のある建築会社の方に相談してみることをオススメします。

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