屋根に関する工事について説明します。

 

普段生活している中ではあまり気にすることのない屋根ですが、住宅で生活していく中で屋根が担っている役割はとても大きいです。そのため、屋根にはさまざまな性能が求められており、その性能や屋根の種類によって異なります。

 

  • 雨から守る(防水性)
  • 風から守る(耐風性)
  • 日差しから守る(断熱性)
  • 地震から守る(耐震性)
  • 火から守る(防火性)
  • 衝撃から守る(耐衝撃性)
  • 音を防ぐ(遮音性)
  • 外壁を守る
  • 外観のデザイン

 

このような役割を持っている屋根に関する工事では、さまざまなことに注意しなければなりません。この記事では屋根工事に関する以下の情報を解説します。

 

  • 屋根の種類と種類毎の工事内容
  • 屋根の勾配と工事への影響
  • 屋根の葺き替えについて

 

この記事を読むことで、新築やリフォーム時に屋根に関してどう決めていけばよいか、判断・選択が必要な場合に決断しやすくなるでしょう。

 

屋根工事

一言で屋根工事といっても、大きく分けると次の6種類に分けられます。

 

  • 屋根葺き替え工事
  • 屋根重ね葺き工事(カバー工法)
  • 屋根塗装工事
  • 漆喰補修工事
  • 棟板金交換工事
  • 雨桶交換工事

 

屋根葺き替え工事については、記事後半で詳しく解説する為、ここではそれ以外の工事について簡単に解説します。

 

屋根重ね葺き工事(カバー工法)

特にスレート屋根で家を建てた場合、既存の屋根の上に新しい屋根材を取り付けていきます。屋根材の撤去を行わないため、葺き替え工事よりも費用が安くなる傾向があります。

 

ただし既存の屋根材には手を付けないため、仮に既存の屋根に腐食やカビなどが合った場合、何もしないよりも進行が早くなり住める期間が短くなってしまう可能性があります。事前に既存屋根に問題ないことの確認が必要です。

 

工程としては、屋根を洗浄した後、屋根下地を取り付け防水シートを敷いた上に新しい屋根材を取り付けます。

 

屋根塗装工事

建築から年月が経ち、屋根材の防水機能が無くなることで雨漏りに繋がったり、塗料が葉枯れ建物へのダメージが生じる場合には、屋根材の塗装工事が必要です。

 

屋根を洗浄後に専用の塗料で塗り替えていきます。塗料は遮熱に特化した種類や耐候性が高い種類などさまざまなので、用途に合わせて選ぶのが重要です。

 

多くの場合足場組立から屋根の洗浄、下地処理をした後に養生し、下塗り・中塗り・本塗りと進めていくため、2週間弱の日程が必要となります。きちんと3回塗りがされているかは、きちんと確認しましょう。

 

漆喰補修工事

日本式の瓦屋根を使用している場合、屋根と下地の接着に用いられている漆喰の劣化が発生してきます。瓦がずれたり、雨漏りが発生したりするため補修が必要な部分を確認し、取り替えたり補充したりが必要です。

 

瓦屋根自体の耐用年数は長いですが、このように周辺部分で補修・メンテナンスが必要になる場合がありますので注意しましょう。

 

棟板金交換工事

コロニアルなどのスレート屋根を止めている、屋根のてっぺんにある金属部分を棟板金と呼びます。劣化により浮き上がってしまうことがあり、雨漏りの原因になります。

 

古い棟板金を取り外し、新しいものを取り付ける工程が必要です。このとき、木材の下地にが防腐処理されていないと腐食の原因になるため、早めに交換が必要となります。防腐処理されているかどうか、もしくは木材以外の材料にできないか確認しましょう。

 

雨桶交換工事

経年劣化によって破損したり、ゴミが溜まったりすることで雨漏りが発生するため、修復が必要な箇所を確認し、取り替える必要があります。

 

付近に背の高い木があることで、落ち葉が溜まりやすくなるため環境次第では定期的なメンテナンスが必要です。

 

このように、屋根工事にはさまざまな種類があり、選択する屋根の種類や使用環境、最初の工事の仕方によってメンテナンスが必要なタイミングは異なります。

デザインや性能を重視することは大事ですが、このようにメンテナンス性も考慮に加えることで、実際に住んでいる間にも後悔しにくい選択になるでしょう。

 

屋根の種類

屋根工事の中で紹介したように、屋根の種類によって必要・備えておくべき工事の種類は異なります。ここでは、日本で採用される代表的な屋根の種類と特徴について解説します。

解説する屋根の種類は以下の5つです。

 

  • スレート屋根
  • ガルバリウム鋼板
  • ジンガリウム鋼板
  • 陶器瓦
  • アスファルトシングル

 

それぞれ、どのような特徴があるのか確認しましょう。

 

スレート屋根

スレート屋根は現在日本でもっとも多く使われている屋根材で、比較的安価にも関わらず、色やデザインが豊富なため好みのものを見つけやすいという利点があります。また、軽量なので、耐震性に優れている点も魅力的です。

 

一方で比較的強度は弱く、ひび割れや塗装表面の痛みなどが生じる為、他の屋根材と比較してメンテナンスに手がかかります。また、2004年以前に販売されていたものはアスベストを含んでいるため、工事の際には注意が必要です。

 

ガルバリウム鋼板

近年人気を集めているガルバリウム鋼板はアルミ・亜鉛・シリコンを配合することで構成されています。耐食性や防食作用、また軽量な点に加え価格の安さも魅力的です。

 

デメリットとしては、耐衝撃性が弱いため飛来物があると凹んだり、遮音性が低いため雨音の音が響きやすかったりする点が挙げられます。ただし、対策を取ることである程度の緩和は可能です。

 

ジンガリウム鋼板

ジンガリウム鋼板はガルバリウム鋼板の表面を砂状の自然石でコーティングしたもので、デザイン性の高い雰囲気を演出しています。耐久性が高く再塗装が不要で、価格面以外はガルバリウム鋼板のメリットも併せ持ちます。

 

一方で、輸入材がほとんどなので価格は高くなりがちで、施工に慣れている業者が少ない点もデメリットと言えます。

 

陶器瓦

古くから日本で使われている陶器瓦は、独特の雰囲気を持ちながらも種類が多い点は魅力的です。また、耐水性や耐久性に優れているためメンテナンスの頻度が少なくてよい点も魅力的です

 

一方で重量があるため建物自タウへの負荷は大きくなり、耐震の観点からは不利です。また、屋根材の中では比較的価格が高い点もデメリットといえます。もともと陶器瓦を使っていない住宅への葺き替えは基本的にはできないので、注意が必要です。

 

アスファルトシングル

アスファルトシングル補習後

写真はアスファルトシングルです。この前の台風で被害にあった屋根を補修したところです。

アスファルトシングルは日本では、まだそれほど馴染みがありませんが、北米では80%以上の住宅で使用されているとも言われています。防水性が高いですが、メンテナンスサイクルは10年~とそれほど高くありません。

 

とても軽量で耐震性には優れていますが、特有の雰囲気を楽しみたいのでなければ他の屋根材を選択するのがおすすめです。

 

h2 屋根勾配

 

屋根の工事に影響してくるポイントとして、屋根勾配も挙げられます。ここでは、屋根勾配とはどのようなもので、どのように計算するのかや、おすすめの屋根勾配を解説します。

 

屋根勾配基準

屋根の勾配は各屋根材ごとに基準となる勾配が決まっており、その勾配以下にしてしまうことで雨漏りがしやすくなったり耐久に影響がでたりするなど、リスクが高くなります。

 

勾配の表示の仕方については後述しますが、まずは各屋根材がどの程度の勾配であれば設置できるのか確認しておきましょう。

 

屋根材 必要最低勾配 その他
金属屋根

(ガルバリウム・ジンガリウム)

1寸勾配以上 平葺き・横葺きの場合は3寸勾配以上
スレート屋根 3寸勾配以上
瓦屋根 4寸勾配以上

 

このように、屋根材によって使用出来る勾配は異なりますが4寸勾配以上であれば、どの屋根材でも問題なく使用出来る為、一つの目安としましょう。

 

屋根勾配計算

屋根勾配の計算方法としては、寸法勾配・分数勾配・角度勾配などがありますが、一般的に良く使われ、上の表でも使用している寸法勾配について解説します。

 

寸法勾配は一尺(303mm、10寸)の水平線を引いた際に、屋根が水平線の先端部分でどれだけの高さになるかで表現します。例えば10寸先が1寸(30.3mm)であれば、1寸勾配、4寸(121mm)であれば4寸勾配と表現します。

 

値が大きければ大きいほど、急勾配の屋根と言えます。

 

屋根勾配は4寸までがオススメ

屋根勾配を決める際には、既に説明したように勾配次第で使用出来ない屋根材があることから、4寸以上がおすすめです。ただし、瓦屋根を使用する可能性が無ければ、3寸勾配以上でも問題ありません。

 

もう1つ重要な観点として屋根工事の際に勾配が急だと足場を組む必要があるため、工事期間が長くなったり、費用が高額になったりします。通常は5寸勾配以上から工事の際に足場が必要となる為、3寸勾配・4寸勾配あたりがおすすめです。

 

屋根葺き替え

 

最後に屋根の葺き替え工事に関して、具体的に確認します。葺き替え工事は既存の屋根をすべて一度取り去ってしまい、新しい屋根材に葺き替えることです。

 

既に紹介した重ね葺きの方が手間も費用もかかりませんが、下地がダメになっていたり、屋根材を取り払わないと耐久的にもたない場合には、葺き替えが採用されることになります。

 

屋根葺き替えは大変

屋根の葺き替えには、本格的な足場を組む必要があるため工事期間も長くなり、費用も高額になってしまいます。また、屋根を支える野地板まで張り替えが必要な場合もあります。

 

次のような条件に当てはまらない場合には重ね葺きを検討することで、費用や工事期間を抑えることが可能です。

 

  • 既に重ね葺きでリフォーム済み
  • 下地が劣化している(可能性がある)
  • 雨漏りが発生している
  • 屋根の劣化が激しい
  • 瓦屋根である

 

また、屋根の葺き替えをする場合には、合わせて雨桶の掃除もしておくと最初の方で説明した雨桶交換工事を先延ばしできます。どうせ足場を組むのであればまとめてやってしまいましょう。

 

屋根工事まとめ

今回解説したように、屋根は日常生活ではあまり気にしませんが実はさまざまな役割を持っており、屋根工事と一言で言っても屋根の種類や状態によってさまざまです。

 

新築時の屋根を選択する際にも、将来的な屋根工事に関する知識を持っていることで、結果が変わる可能性もあるため、知識として身につけておいて損はないでしょう。

 

また、既に住んでいる住宅のリフォームを考える際にも屋根のリフォームは重ね葺きや葺き替え、さらに葺く屋根材の変更などさまざまな選択肢があります。どのようなものが良いか検討する際に今回解説した内容が役に立つでしょう。

 

屋根工事は費用も高額になりがちですし、工事期間も長くなります。紹介した内容を元に、後悔しないようにじっくり検討しましょう。

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