ガルバリウムと瓦とカラーベストの屋根はどれがよいの?

注文住宅を建てるくらいこだわりが強い人であっても、屋根に強いこだわりがある人はそれほど多くないのではないでしょうか?こだわりが強くないとどのような屋根を選んだらよいのかわからなくなってしまいますよね。どうせそんなに見えるものではないし、どの屋根を選んでも一緒でしょ?と思われるかもしれませんが、屋根の選択によって家の寿命やメンテナンスコスト、デザインに居住する際の快適性まで大きく変わってきます。今回は、特に代表的な3種類の屋根に関して、それぞれの特徴とおすすめの屋根を紹介します。

 

注文住宅でよく使われる屋根の種類

注文住宅でよく使われる屋根としては、ガルバリウム屋根、瓦屋根、カラーベスト屋根の3種類があります。ガルバリウムは注文住宅を建てようと思っている人であれば、外壁材として使われているため知識があるかもしれません。また、瓦屋根は古くから日本では伝統的に使われていますのでご存知でしょう。カラーベスト屋根は名前こそ知っている人は多くないかもしれませんが、広く使われていますので、説明を見れば分かるでしょう。それぞれの屋根に関して、メリットデメリットとなる特徴を紹介していきます。

 

ガルバリウム屋根

ガルバリウムはトタンに似た金属主体の屋根で、亜鉛・アルミニウム・シリコンのメッキを薄い鉄板に施したものです。トタンよりも錆に強く屋根だけでなく、壁にも使われています。人気が高いガルバリウム屋根ですがどのような特徴があるのでしょうか?

 

軽量で屋根への負担が小さい

ガルバリウム鋼板は薄い鉄板にメッキを施したものなので、非常に軽量です。特に従来から使われているタイプの瓦屋根に比べるとその重量は1割程度しかなく、屋根への負担が非常に小さくなっています。屋根の重さと耐震性への関係についてはさまざまな意見が出されていますが、構造計算上重要な計算式である壁量計算において、屋根の重さ係数が出てきますので影響はあると考えています。屋根材の中でも軽い方に分類されるガルバリウム屋根は耐震性への影響も小さいです。

また、耐震性以外でも屋根材が重いことで下地部分がゆがんでしまうなどの影響があります。重いことで発生する悪影響とは無縁なのが、ガルバリウム屋根が持つ魅力の1つといえます。

 

取り扱いメーカーが多い

ガルバリウム屋根は加工もしやすく、一度立てた家の屋根を葺き替える際に使われることも想定されているので、多くのメーカーから発売されています。また、葺き替えは既に建っている家に合わせる形となるので、屋根材だけでなく周辺の部品も対応できるようにさまざまな種類が用意されているため、選択肢が広いのも特徴です。取り扱いメーカーが多ければ各社で競争が起きますので、価格が安定し各社からさまざまなタイプが発売されていきます。選択肢が多く安いことは利用者にとってはうれしいので、このような状態が継続して欲しいですね。

 

耐用年数が長い

メッキをした鉄板なので、さびにくく価格が高騰するステンレスや銅からの置き換えも進んでいます。再塗装をしない状態で、塩害が考えられるような厳しい環境でも15年、それ以外の土地では25年というのがメーカーから出されている寿命です。耐久性が保たれている状態で再塗装を施せば、より長く持たせることが可能です。錆さえ起こさせないようにメンテナンスしていれば屋根材自体の耐久性は30年程度持ちますが、隙間を埋める材質の劣化による雨漏りなどが先に発生してしまうので、そのタイミングでの大規模なメンテナンスが必要になります。それでも、他の屋根材と同等か少し長い耐用年数を誇ります。メンテナンス頻度が少なくてよいことや、葺き替え回数が少なくできることはランニングコストに大きく影響してきますので、重要な要素です。

 

耐熱性が高い

ガルバリウム屋根は薄い金属なので耐熱性に関してはそれほど強くはないと考えがちですが、実はトタン屋根に比べると熱反射率が高くめっきによって高い耐熱性を持っています。耐熱性が高いおかげで日光を吸収し劣化が早くなりがちな濃い色を採用できます。

 

イニシャルコストが高い

ガルバリウム鋼板の劣化が進む原因は傷によって錆が発生しやすくなることです。そのため、施工時には傷をつけないように気を付ける必要があり、取扱が簡単ではないため施工コストが高くつきやすいというデメリットがあります。慣れていない業者に依頼すると、技術力不足により施工が上手くできずイニシャルコストもランニングコストも高くなってしまうという場合がありますので、経験豊富な業者に頼む方がよいでしょう。

 

見た目の好みが分かれる

ガルバリウム鋼板は人によって見た目の好みが多く分かれる建築材です。トタン屋根にあまりよくない印象を持っている人は安っぽいと感じる可能性がありますが、ガルバリウム鋼板の持つシンプルな印象を好む人もいます。家の外観は見る人も多いのでさまざまな考えを持たれますが、周りからの意見に耳を傾けるのではなく、家族がどう感じているか?という点を重視して決めるのがおすすめです。

 

 

防音性能が弱い

雨が打ち付ける音が家に響きやすい特性を持っているため、防音対策が必要になります。そのままだと大雨のときなど不安になりますし、防音対策によって追加費用が掛かってしまう可能性がありますので、注意が必要です。もし選択する場合には防音対策など必要な処置を含んだ価格なのか確認しておく必要があります。

 

 

瓦屋根

続いて屋根瓦です。最近新しく建てている住宅では見る機会がかなり減ってきましたが、それでも日本を代表する屋根材であることに変わりはありません。従来の大きなデメリットを改善するような製品も多く生まれています。

 

日本の伝統的な屋根材

多く使われている粘土瓦は屋根材として1,400年程度の実績を持った歴史ある屋根材で、防水性、意匠性、耐久性といった基本性能は高く近年は新たな技術を取り入れることでその価値が見直されてきています。日本らしい伝統的な住宅を建てる場合、屋根を瓦にすることは必要不可欠です。

粘土瓦は、さまざまな種類の土を配合しそれを混ぜ合わせ、成形し、ゆう薬を塗って焼き上げることで作られます。そのため、耐久性が高く建築基準法でも不燃材として認められています。

 

対災害性に強い瓦が誕生

従来は、風災や地震などの災害に弱い屋根とされていた瓦屋根ですが、近年はそのデメリットを克服するような防災瓦や施工方法も含め改善することで、災害に強くなってきています。台風など風がとても強いときにでも瓦が外れて飛んでしまわないように、重なり合っている瓦の下側が上側を固定するようなロック構造を採用しています。また、このロックにより瓦同士がかみ合わさっているため地震に対する瓦のずれや破損も最小限に抑えられるようになりました。

また防水性能も従来に比べると向上しており、何となく隙間から雨が入り込んでしまうようなイメージはありますが規格は十分に満足しています。

 

断熱性能に優れている

瓦屋根は夏でも冬でも断熱性に優れています。熱容量が大きく、下地となる部分の断熱性が高いことで、夏であれば直射日光による熱が屋根で抑えられ屋内に影響することを最小限に抑えてくれます。また、瓦と下地の間にある空間の空気層が断熱効果を発揮してくれる点も大きな影響を与えています。また、冬は逆に屋内の熱が屋根を伝って外部に逃げないようにしてほしいですが、その点でも瓦屋根は高い性能を実現しています。断熱性能は住んでいる中での快適性に直結する重要な部分なので、この性能が高いのは魅力的です。また、適切な温度を保つ為の冷暖房費が抑えられる点も魅力艇といえます。何となく隙間が多く断熱性に関しては優れていないイメージを持っているかもしれませんが、さまざまな工夫により性能は向上し続けています。

 

 

イニシャルコストが高い

瓦屋根は屋根材自体を粘土から成形し、焼き上げるなどかなり手間がかかっています。また、施工時にも一枚一枚貼っていく必要があり、かなりの労力が必要です。そのため、材料費と施工費の両方の影響でイニシャルコストが他の屋根材に比べると高くなりがちです。ただし、ランニングコストに目を向けてみると、色落ちによる再塗装などが必要ないため、特に問題がなければ点検のみで済みます。足場を組んで塗り替えを行ったり、葺き替えをする必要がありませんので、ランニングコストは安くでき、トータルでもお得になる可能性は高いです。これも古くから培われてきた技術と、瓦屋根の伝統・実績による部分が大きいですね。

 

屋根材の中では重い

材料の工夫により瓦も従来よりは大幅に軽量化されていますが、他の屋根材に比べるとその重さは際立ってしまいます。瓦材メーカーなどは屋根が重いことで家屋に悪影響を与えることに対して言及していません。災害時に瓦屋根の家が多いのは建物自体の強度が不足しており、その多くが瓦屋根だったからにすぎないという主張もあります。大きな要因は家の構造自体が弱かったことによるのかもしれませんが、同じ構造の場合には屋根が重い瓦屋根の家が不利なのは事実です。耐震性や屋根が重いことによる住宅への影響に関しては、それぞれの立ち場で話す内容が異なることを十分に理解して、なるべく中立の立場である人から意見を聞きましょう。

 

カラーベスト屋根

最後に紹介するのはカラーベスト屋根です。ガルバリウム鋼板でも瓦屋根でもない屋根材のほとんどはこのカラーベスト屋根を含むストレート屋根材を活用しています。その中でもカラーベスト屋根は優れた特徴を持っているため、おすすめの製品です。

 

豊富なデザイン

まず目を引くのが豊富なデザインです。屋根材自体の加工のデザインが3種類あり、さらにエッジ部分も2種類から選べます。これが各色に対して用意されていますので、組み合わせ次第で希望に近い屋根デザインを実現可能です。また、同じ加工の屋根材であれば、さまざまなカラーを組み合わせてシャッフルカラーのデザインを実現できるため、広く使われている屋根材でありながら独自性も出せるのはとても魅力的です。落ち着いた組み合わせから、少し尖った組み合わせまでシミュレーションを用いてイメージを確認できますので、試してみるとよいでしょう。

 

家への負担が少ない

カラーベスト屋根は瓦屋根に比べると約半分の重量なので、家自体への負担や防災性の観点からも優れています。ただし、ガルバリウム鋼板よりは重いので、注意が必要です。また、重なり合っている部分が広く全数をくぎ留め工法でしっかりと固定しているため防水性能も高く、同様の理由で熱や音を通しにくいため、断熱性や遮音性にも優れている点は大きな魅力といえます。全体を通してバランスがよく家自体への負担が少ないので、長く住みたい場合には有効な選択肢といえます。

 

 

定期的なメンテナンスが必要

性能への大きな影響はありませんが、外観をキレイに保つという観点では定期的なメンテンナンスが必要になります。せっかく立てた好みのデザインなので、できるだけ長くきれいな状態を保ちたいものですね。初期コストが他の屋根材に比べるとリーズナブルですが、現在販売されているカラーベストは、塗装の寿命も長くなっています。メンテナンスコストも他の屋根材に比べると安価で済みますので、それほど大きな負担にはならないかもしれません。ただし、カラーベストのグレードによっては、塗装の寿命が短いものがありますので、選ぶ際には確認しておきましょう。

寿命が短い場合には、10年程度でメンテナンスが必要になってくる場合がありますので、塗装の寿命は、きちんと把握しておきましょう。

ちなみに、屋根の塗り替えしようとすると、足場が必要になりますので、足場と塗装で100万円前後かかる場合があります。

 

どの屋根が良いの?

今回紹介した3種類の屋根材で、どれが優れているのかを明確に決めるのは簡単ではありません。理由はそれぞれメリット・デメリットがあり考え方によってその優先順位や重要度は大きく異なるからです。

ガルバリウム鋼板のデザインが好きで、多少イニシャルコストが高かったとしても問題ない場合には、デザイン性やランニングコストに優れたガルバリウム屋根を選択するとよいでしょう。

日本古来の伝統的な建築物に使われた瓦を使うことにこだわりがあり、ランニングコストを可能な限り抑えたい場合には、災害に強く改良された瓦屋根がおすすめです。

さまざまなデザインの中から特徴ある色使いにこだわり、イニシャルコストを抑えながらバランスのよい屋根を選択したい場合にはカラーベスト屋根がよいでしょう。

 

このように、自分を含めた家族がどのような部分にこだわり、何を許容できるのかを明確にできれば、おのずとどの屋根材を選ぶのが自分たちに合っているのか?明確になるはずです。

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