2階リビングのメリット・デメリットについて考える。
家の中で家族が集まり、もっとも長い時間を過ごすリビング。新築住宅の建築を考える際には、リビングを中心に間取りを考える人が多いでしょう。
一般的に2階建ての家ではリビングを1階に配置することが多いですが、最近は2階にリビングを配置する人も増えてきています。
2階にリビングってどういうこと?と疑問に思う人も多いと思いますので、この記事では、
・2階にリビングを配置するとはどういうことか?
・2階リビングのおすすめの間取り
・2階リビングはおしゃれなのか?
・2階にリビングを配置するメリット
・2階にリビングを配置するデメリット
・2階にリビングを配置すると階段が寒い?
これらの内容を紹介していきますので、2階リビングを考えている人はぜひ参考にしてくださいね。
2階リビングとは
まずは、2階リビングとはどのようなものなのかを明確にしていきましょう。
その言葉通り、家の2階にリビングを配置する事ですが、多くの場合にはキッチンやダイニングもセットで2階に配置することが多いです。
とても大きな家を建てる場合には、メインのリビングダイニングキッチンに加えて、第2のリビングを2階に配置する場合がありますが、よく言われる2階リビングはそれとは少し違います。
2階にリビングを設置することで、間取りの自由度が広がったり、建築する場所のデメリットを解消したりできる可能性があります。2階リビングの間取り紹介や、メリットデメリットを紹介する際に明確にしていきますので、確認してみてください。
2階リビングのメリット
2階リビングにはさまざまなメリットがあります。
重視する点は人それぞれなので、他の人のおすすめを聞いた上で自分たち家族の生活スタイルに対して合わせていく必要があります。
最初に2階リビングのメリットを確認していきましょう。
・プライバシーを守れる
・日当たりがいい
・天井を高く取れる
・眺望が良い
・耐震性が良い
・ロフトや屋根裏を活用しやすい
他にもあると思いますが、これらは多くの人にとってメリットになると考えられます。
それでは、それぞれ少し深堀して内容を確認しましょう。
プライバシーを守れる
リビングでは家族でくつろぎながらゆっくりとした時間を過ごしたいですよね。
しかし、家が道路に面している場合には、大きな窓があったとしてもカーテンを開けてくつろぐのにも抵抗があります。
道路を歩いている人や車が気になってしまいますよね。
もし2階にリビングがあれば、道路からの視線がリビングに直接入ってくることはありませんし、道路を歩いている人と目が合うこともありません。近所や道路など外からの視線が気にならないのであれば、プライバシーを守りながらカーテンを開けて家族でのんびりとくつろぐことができますよね。
日当たりが良い
土地の都合で、隣の家と近い場合には、1階のリビングに十分な日光が差し込まない場合があります。
特に都会で広い土地が確保しにくかったり、もともと持っていた土地に家を建築する場合には、制約が出てくることもあります。
もし1階部分の日当たりが悪かったとしても、2階リビングにすれば高さが高いので、他の建物で日光が遮られる可能性も低く、南向きに設置しやすくなり間取りの自由度が上がります。
土地の制約があったとしても日当たりの良いリビングにしたい場合には、2階にリビングを設置するのがおすすめです。
天井を高く取れる
あまりイメージし難いかもしれませんが、2階リビングにすることで天井を高く取れるというメリットがあります。
2階建ての場合、1階にリビングを作ると2階には部屋を作るのでどうしても高さが制限されてしまいます。
天井を高くすることで、より開放感のある空間にできますね。
また、天井の形状を工夫することで屋根の形状を活かした独自デザインの空間を作りあげることも可能です。
ただ平らな空間ではなく梁を活かしたり、天井に勾配を付けることもできるので、長い時間を過ごしたくなるお気に入りの空間にできます。
ロフトや屋根裏を活用しやすい
天井が高く取れるので、リビングからもロフトや屋根裏への経路を確保可能です。
せっかくロフトや屋根裏を作ってもアクセスが悪いとなかなか活用出来ず、作った意味が薄れてしまいます。
また、1階にリビングを作ってもそこからロフトや屋根裏を設定することはできますが、家全体を高くする必要があったり、ロフトや屋根裏の高さを低くせざるを得ないなど制約が出てきてしまいます。
直接的な理由にはならないかもしれませんが、ロフトや屋根裏を活用しやすいというのはおすすめのポイントです。
眺望が良い
単純にリビングが2階になると高さが高くなるので、視点が高くなります。
その分、周りには視界を遮るものがなくなりますので眺望が良くなります。
窓から外を見渡した時に、できるだけ視野が広く、眺望が良い方が気分も良くなりますよね。
耐震性が良い
2階にリビングを取ることで耐震性が良くなると言うのは、あまりイメージしにくいかもしれません。
もし広いリビングを作りたい場合には、柱の数を少なくするか、リビングの途中に柱を立てなければいけません。
2階であれば広いリビングをとりながら、1階は居室を作ることでしっかりと柱の本数を確保出来るので耐震性も十分に確保可能です。
長く住む大事な家で日本は地震が多く発生する国なので、耐震性と広いリビングを両立できるのは大きなメリットになります。
このように、2階リビングには非常に大きなメリットがあるので、どれか1つでも実現したい項目があった場合には、家族や建築会社に相談してみるとよいでしょう。
2階リビングのデメリット
一方で、2階にリビングを置くことでデメリットとなってしまう項目もあります。
人によってはいくらメリットが大きくてもデメリットが致命的になってしまう場合もあるので、きちんと確認しておきましょう。
・1階の防犯面に注意
・リビングは夏場に暑い
・階段の上り下りが大変
・子供が帰宅後そのまま部屋へ
それでは、それぞれのデメリットについて確認していきます。
1階の防犯面に注意
2階にリビングがあるということは、人が2階に集まり1階は人気が無くなります。
もし玄関のドアや1階のドアを締め忘れていたとしても気付きにくい状態になりますし、仮に侵入者がいた場合にも気付きにくくなってしまいます。
日常的に防犯面には気を付けて、カギの締め忘れや窓の開けっ放しをしないように気を付けておきましょう。
きちんと防犯に対する意識を高めていればデメリットにはなりません。
リビングは夏場に暑い
冷たい空気は低いところに集まり、暖かい空気は高い所に集まります。
冬場は過ごす時間の長いリビングが2階にあることで、暖かい空気が集まりますが夏にはそのメリットがデメリットになってしまいます。
しかし、部屋が暑くなってしまったとしても窓を開けたりエアコンをかけたりすれば空気の入れ替えができますし、窓を開けてもリビングが2階にあればそれほど周囲の目を気にする必要もありませんので、夏場の暑さも対処が可能です。
階段の上り下りが大変
2階で過ごしている時に宅配便や来客が来た場合には、その都度1階まで降りていく必要があります。
また、毎日リビングと居室の往復は何度も階段を往復する必要がありますので、億劫になってしまう可能性もあります。
買い物をした後の重い食材や飲み物を持って階段を登らないといけないなど場合によってはかなり大変になるので、注意が必要です。
特に若い内は気にならなかったとしても年齢を重ねて体力が落ちてきたときにどう感じるかは、難しいですが一度家族で相談しておいた方が良いでしょう。見方を変えれば毎日必ず階段の昇降を何度か繰り返すので、それがトレーニングになり足腰が鍛えられるとも言えます。
子供が帰宅後そのまま部屋へ
子供が小さい内は、2階にリビングがあっても一緒に過ごす時間が長く取れます。
しかし、思春期になると自分の時間を大切にするようになり、自分の部屋に長い時間籠ってしまう可能性もあるでしょう。
1階に居室がある場合には、外から帰ってきてすぐに部屋に入ってしまったり、部屋から出てすぐに外に出てしまったりとコミュニケーションをとる時間が減ってしまいます。
家族の時間を確保するためにリビングに階段を付けるなど、こだわりの強い人もいますので、将来的にはこのようにコミュニケーションがとりにくくなる可能性があるということを把握しておきましょう。
いくつかのデメリットは生活の工夫や、人によっては気にならないなどそれほど問題にならない可能性もあります。
ただ、今気付かなかったとしても、将来的には大きな課題となる場合もありますので、間取りを決める際には事前に家族で話し合っておきましょう。
2階リビングの間取りで考えること
2階にリビングを設定する場合の間取りとして代表的なのは、水回りをキッチンと合わせて2階に持ってきてしまう事です。
浴室や洗面も2階に持ってきてさらに動きやすい動線を作れば、家事に必要な時間を短縮できるので共働きが多く忙しい今の若い夫婦にはおすすめです。
また、広く開放的で高い天井を活かす為に、リビングの一部に畳の小上がりを設置することで、上手く収納スペースを確保しながら、くつろぎの時間を演出できます。
土地のスペースに余裕がある場合には、2階リビングの大きな窓から出られるテラスを少し広めにとるのがオススメです。
机と椅子を置くことができれば、天気の良い日にはそこで朝食を食べたり、ゆっくりお茶したりと優雅な時間を外の目をそれほど気にせずに過ごせます。
このように、2階リビングを中心として生活をより便利に、豊かにできるような間取りを設定できるので、2階にリビングを設置することを決断したらどのような生活を楽しみたいのか、家族でイメージを膨らませておきましょう。
2階リビングはおしゃれ
一般的に、ほとんどの家庭ではリビングは1階にあります。
もし2階にリビングがあるというと、それだけで他の多くの家と差別化でき、何となくおしゃれな雰囲気がありますよね。
実際に、天井を高く取ったり梁や天井の形状を活かした空間を実現できるので、1階にリビングを置くよりもデザインの自由度が大きくなります。
有名な建築家の方がデザインした住宅でも、リビングは2階に置かれることが多く、実際に建築業界で働いている人の中でも2階にリビングがあるのはおしゃれでこだわりを持った家であるというイメージがあります。
もし、他の人とは違った自分たちだけの家を実現したい場合には、その要素の1つとして2階リビングを検討することをおすすめします。
2階リビングの階段は寒いのか?
2階リビングを実際に導入した人の口コミを調べてみると、階段が寒いという情報がありました。
実際には、2階リビングと階段の間に扉が設置できず空きっぱなしになっているため、寒く感じるというものです。
実は、建築上の制限(消防法)から2階にリビングを置いた場合、階段の前にドアを付けることができず、結果的に空気が流れ出てしまうので寒さを感じる状況になっています。
階段室を付けることで消防法は解決できるのですが、リビングのスペースが狭くなってしまうのが課題となり、多くの2階リビングの住宅ではドアがない状態になっていました。
しかし、2019年以降では消防法よりも省エネを優先すべきという解釈となり、2階リビングだったとしても階段にドアを設置できるということになりました。
これで階段へ暖かい空気が流れてしまうことも無く、寒さを感じずに2階リビングを実現できますね。
2階リビングのまとめ
2階にリビングを設置することは、おしゃれでこだわりを込めた住宅を建築をできるといった理由以外にも、日当たりをよくしたり、プライバシーを守ったりと実際の生活の中でもメリットが大きい魅力的な選択肢です。
一方で、階段の上り下りが面倒だったり、将来子供が玄関と自分の居室の往復になってしまう可能性があったりと、人によってはデメリットになる可能性がある点も存在します。
まずは家族で、「2階リビングの家でどのような生活がしたいのか?」や、「2階リビングにしたとして、将来的に問題になることはないか?」という点をしっかりと話し合うことが重要です。
メリットとデメリットそれぞれに優先順位を付けることが出来、イメージに捉われない満足度の高い住宅が実現できます。まずは2階リビングでどんな家が実現できるのかを知ることが重要なので、いろいろなこだわりが織り込まれた家を多く見ることをおすすめします。
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