注文住宅を建てるときの流れとやるべきことを解説
注文住宅を建てようと思った際に不安に感じるのは、「いつ」「何をするのか」が分からないことではないでしょうか?
建売の家であれば最初から決まっていることでも、註文住宅では建築会社と相談しながら、家族と相談しながら決めていかないといけないことが多くあります。
注文住宅を建てる際に、どのような流れで何を決めていくのか?という点に関して具体的に確認していきましょう。
注文住宅を建てる際の流れ
実際に注文住宅を建てる際には、どのような流れで何を決めていけばよいのでしょうか?具体的な項目を挙げながら解説していきます。
建てたい家の明確化
まずは、家族で相談しどのような住宅を建てたいのかを決めていきましょう。
注文住宅は建売と異なり決めれる範囲が非常に広いです。
北欧風の家にしたいのか、自然素材をふんだんに使った家にしたいのか、モダンでシックな家にしたいのか、どこにもない自分たちだけの奇抜な家にしたいのか、など。まずはイメージでも構いませんので、いろいろな住宅を参考にしながら決めていきましょう。
注文住宅を取り扱っている建築会社であれば、大体どんな家でも建てられますが、もちろん得意不得意があります。
建築会社を決めるためにも、まずはどのような家を建てたいのか?という点を明確にしておきましょう。
建築会社の選定
非常に多くのメーカー、工務店が注文住宅市場には参入しているため、自分の家を建ててもらう建築会社を探すのは簡単ではありません。
建てたい家が明確になっている場合には、似たような家をたくさん建てており、実績のある会社で絞り込んでいくのが良いでしょう。
その後は、特にそれぞれの建築会社が得意としている点を確認し、営業担当者との相性や、建築会社が設定している基本的な単価などを参考に決めていくことになります。
完成時期の決定
まずは、注文住宅の完成時期を明確にする必要があります。
完成時期を元にしてそれぞれの工事に必要な期間や、打ち合わせに必要な期間を逆算し、すべての日程が決まっていきます。
多くの場合は、相談しにいったタイミングから無理のない期間でなるべく近い日程を設定すると思います。
例えば、土地を別で用意する場合、土地の引き渡しまでに時間がかかるようなケースでは、引き渡しが終わってから工事に入れるような日程を組むこともあります。
それぞれ家庭の状況によって異なりますので、まずは相談に行ってみましょう。
予算の明確化
次に必要なのは予算の明確化です。
住宅の建築には土地代に家代だけでなく、住宅ローン関連の手数料や火災保険、さまざまな申請費用など多種多様な費用が必要です。
それらも含めて、全体でどの程度の予算を組めるのか?という点を明確にしておかないと、細かいプランを立てていくことができません。
希望している内容が実現できるかどうかは予算が決まっていないと分からないので、建築プランを決める前にある程度設定しておきましょう。
実際には、このタイミングできっちり決められるものではなく、費用とプランのバランスで少し予算を超えてもいいかなと思っていたり、途中でトラブルが発生し費用が出せなくなったりと様々なことがあります。
その都度建築会社の方と情報共有をしながら柔軟に対応していきましょう。
建築プランの相談
事前に設定した予算に基づいて、具体的な建築プランを決めていきましょう。
土地の中から、どこを駐車場にし、どこを庭にし、どこにどれくらいの大きさの家を建てるのか?駐車場は何台必要なのか?など、決めなければいけないことはたくさんあります。
また、土地の活用方法が決まった後は、住宅内の間取りを決める必要があります。
部屋数はどうするのか?それぞれの部屋の広さは?リビングは1階と2階どちらがよいのか?まだ間取りなども確定ではありませんが、このあたりで絞り込んでいかないと、細かい外装や内装などここから先で決めなければならないものを決めれなくなってしまいます。
実際には細かい点を見直している最中に変更する可能性は十分に考えられます。
あと、大切なのが、細かいもの把握です。
例えば、薬だったり、爪切りだったり、家族で使う筆記用具だったりと、リビングで使うものがどれくらいの量あるかなど、収納の必要量をしっかりと把握しておくこともとても大切です。
外観は家の顔
大まかに建築プランを作りこんだ後は、実際にデザインを決めていきます。
ここからの順番は建築会社次第ですが、まずは外観から決めていく場合がほとんどです。
外観は外から見たときの印象を左右する重要なポイントで、デザイン性が重視される場合が多いです。
もちろん好みのデザインを重視することは大切ですが、外観を決める際にはそれだけでは不十分です。
外壁はさまざまな機能を持っており、外部の騒音を遮断する防音性能や、熱を閉じ込めてくれる断熱性能などは日常生活に直結するため無視できません。
また、メンテナンス性も重要です。
見た目はもちろんですが、機能的にも時間が経過すると劣化してしまいます。
どの程度の期間で劣化するのか、劣化した場合復旧するためにはどの程度のお金と時間がかかるのか?という観点で外観を選ばないと、時間が経ってから大きな後悔につながる可能性があります。
毎日使う住宅設備にはこだわって
間取りと外観が決まると、内装と並行して住宅設備を決めていきます。
キッチンにユニットバス、トイレなどがメインで、住宅設備メーカーをいくつか回りながらお気に入りの設備を選びます。
グレードやオプション機能によって価格差はかなりありますが、少しでも気になるなら上位のタイプが導入できないか検討することをオススメします。
住宅設備は毎日使うものなので、少し気になる点があると毎日気になり続けてしまいます。
一方で、多少価格が高くてもお気に入りの設備が導入できれば、使うために気分が良くなりますし、時間を節約できる可能性もあります。
価値観は人それぞれさまざまですが、長く使うものですので気に入った設備を選んでおきたいですね。
内装は決める項目が多い
最後に内装ですが、とにかく決めなければいけない項目が非常に多く、時間がかかってしまいます。
希望する条件やデザインのイメージがある場合には早めに建築会社の方と共有しましょう。
壁や天井、床はもちろんですがそれ以外にも建具に照明、作り付けの家具なども決めていく必要があります。
間取りを決める際にそれぞれの部屋をどのように使うかはイメージ出来ていると思いますので、それに基づいて決めていきましょう。
例えば壁であれば、ぬりかべなのかクロスなのか、クロスならばどのようなデザインにするのか、などを家全体に対して決めていく必要があります。
想像するだけでかなりの時間がかかることがイメージできるでしょう。
大変ではありますが、自分たちが住む空間をよく考え、イメージしやすい時間でもありますので、とても楽しくなります。
家族でどのような家が良いかコミュニケーションを取りながら決めていくと、あっという間に決まってしまうでしょう。
このように、注文住宅を建てるさいにはさまざまなことに取り組む必要があります。
中にはしっかりと勉強しないと判断できないような内容もあり、決めるには時間がかかりますが、ひとつずつ順を追って決めていくのは楽しいですし、家族とのコミュニケーションを深くとる良い時間になります。
次は何を決めていくのかな?とイメージしながら取り組むのが良いでしょう。
打ち合わせの時期と回数は?
注文住宅の打ち合わせや頻度はどの程度必要なのでしょうか?
決めることがかなり多いので、かなり回数が多くなることが想定され、時間を確保できるのか心配になる人もいるでしょう。
大体、ここまでに紹介したような内容を8回程度の打ち合わせで決めていきます。
2週間に1回程度で、場合によっては、多少前後するかもしれませんが、1回あたり2時間が目安で、大体3~4ヶ月程度ですべて決めきってしまいます。
もちろん打ち合わせの間には、家族でいろいろなものを調べ、コミュニケーションを取って決める必要があります。
また、例えばショールームに住宅設備を見に行ったり、場合によっては引渡し前の家に見学会に参加することもあるでしょう。
いずれにせよ、大体月に2~3日程度は打ち合わせが必要になります。
これくらいであれば、時間を確保するのはそれほど難しくないのではないでしょうか?
どうしても仕事を1日休めない場合には、半日だけ休暇を取ることでも対応可能です。
打ち合わせと並行して、銀行に融資をしてもらえるように準備も進めていくことになります。
一括で支払いができれば融資は必要ありませんが、注文住宅を一括で購入できるような人は多くはありません。
収入を証明するものや、健康を証明するものが必要になりますので、源泉徴収票や健康診断の結果はすぐに渡せるように準備をしておきましょう。
融資が通らないと支払いができず家が建てれないので、注意が必要です。
建築会社との打ち合わせや住宅ローンに対する銀行からの融資が完了すると、実際に工事に入っていく着工となります。
工事でやることと必要な期間は?
実際に工事が始めると、準備・基礎工事・木工事・仕上げ工事など順に工程が進んでいきます。
必要な建築資材を集めたり、家を建てる土地を整地して家を建てるための準備を1ヶ月程度かけて行います。
その後には、住宅の土台となる基礎を作る基礎工事を実施します。調査をした地盤に応じて、安心して住めるように地面と家をつなぐ基礎工事はとても重要で、大体1ヶ月程度かけます。基礎ができると木工事(もっこうじ)に入ります。
木工事は木造住宅の建築でもっとも重要な工程で、構造や家の骨組みを作っていきます。
土台から柱を立て、梁や桁などの横木を渡していきます。筋交いや間柱を施し、壁や屋根の下地を設置してサッシやドアを設置します。
断熱材の充填や内装の下地を施すのもこの木工事です。
実際に家が建ってしまうと見えない部分が多いですが、ここが肝になり、重要な部分なので約3ヶ月程度をかけてしっかり作りこんでいきます。
木工事まで終わってしまえばあと少しで完成です。
最後には実際に触れたり目にしたりすることになる内装や設備の搬入などが行われ仕上げ工事に入っていきます。
仕上げ工事が約1ヶ月で完了しますので、着工から完成まで約6ヶ月程度の期間をかけて注文住宅を作り上げていきます。
注文住宅ではなく、ある程度型が決まっているハウスメーカーの住宅であれば3~4ヶ月程度で完成しますが、さまざまな選択肢が注文住宅に比べるとかなり少ないですし、外観の差別化もしにくいので、6ヶ月待ってでもこだわりを詰め込んだ注文住宅を建てる価値があります。
引渡し前にやっておくべきことは?
建築が完了すると、その後は引渡しに入ります。
引き渡し後すぐに引っ越せるように、引っ越し屋さんに連絡を取って準備を進めたり、事前に新しく購入する家具の準備などをしておきましょう。
また、電気や水道、ガスなどのライフラインを確保する必要もあります。
このあたりは工事の段階でも必要になることがありますので、建築会社の方と十分にコミュニケーションを取って、無駄のないようにするのがオススメです。
実際に引っ越しをする際には、近隣の方に挨拶をしておきましょう。
簡単に渡すものを準備しておけば、いつでも挨拶にいけますので準備をしておくと良いですね。
引き渡しの際には、住宅が希望通りになっているのか?また、不具合などはないか?という確認を建築会社の方と一緒に行い、特に問題なければ引き渡しとなります。
まとめ
注文住宅を建てたいと思っても、まず何をすればいいのかわからなかったり、どんなことをする必要があるのかわからず、気になってしまうこともあります。
実際には、今回紹介したように流れで建築が進んでいきますので、もし住宅を引渡ししたい期日が決まっている場合にはできるだけ早く動き出しましょう。
仕様を決めていく段階の打ち合わせが大体4ヶ月程度、その後の着工から引き渡しまでが6ヶ月程度かかりますので、合計で10ヶ月程度は見ておきたいところです。
その中で、間取り、外観、内装、設備などさまざまなものを決めていく必要があります。
時間はかかりますが、家族でコミュニケーションを取りながら楽しんで決めていけるでしょう。
建築が終わってしまえば、後は引っ越しの準備をして遂に念願の我が家を引き渡すタイミングになります。
注文住宅は建売やハウスメーカーの規格住宅に比べると、決める項目も多く時間もかかりますが、それだけの価値がありますので楽しんで取り組んでください。
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