防護服に使われている透湿防水シート タイベックについて調べてみた!
住宅の建築には、透湿防水シートとよばれる部材が用いられています。
普段生活している中ではあまり触れることがない言葉なので、あまりイメージがわかない人が多いでしょう。
この記事では、透湿防水シートに関する情報と、透湿防水シートを検索すると必ず出てくる「タイベック」について紹介します。
透湿防水シートとは
はじめに、透湿防水シートはどのような製品なのか紹介します。
透湿防水シートは、その名の通り、湿気となる水蒸気は通過させますが、水は通さない性質を持ったシートです。
もし湿気を通過させることができないシートを使ってしまった場合には、室内に湿気がこもって結露やカビが発生する原因になってしまいます。
そのため、湿度を通過させるシートが必要です。
木造建築物の外壁の外側に、防水のために使用されることが多く、そのほとんどが白くメーカー名や製品名が印刷されています。
住宅が完成してしまうと、外壁に隠されてしまうため、あまり目にすることはありません。
建築用の資材として扱われていますが、専門の業者だけではなく一般の方も購入することが可能です。
本来は50~100メートルのロール巻きになっていますが、ホームセンターでは切り売りされていることがあるので、購入しやすいですね。
透湿防水シートの特徴
透湿防水シートには、湿気を通し水を防ぐ以外にもさまざまな特徴があります。
外壁の工事には、「湿式工法」と「乾式工法」があります。
湿式工法は塗り壁材を水と混ぜて外壁をつくる方法で、質感や雰囲気を楽しめる一方で、工期が長くなったりコストがかかります。
乾式工法は現在主流となっている方法です。乾燥させる期間を必要としないので、工期を短縮でき比較的ローコストに抑えることができます。
透湿防水シートは、乾式工法で気候に左右されずに使用することができ、さらにシート自体の価格が安い点は大きなメリットです。
また、シート自体にある程度風をさえぎる効果があります。
一方で、透湿防水シートには、耐震性や耐風性を高める効果、気密性や防音性を高める効果はありません。
外壁に使う場合には、これらの目的のために他の対策を取る必要があります。また、耐火性も持ち合わせていませんので、注意しましょう。
また、似たようなシートには防湿気密シートというものがありますが、これはまったく別の機能を持っているものなので、間違えないように注意が必要です。
透湿防水シートのタイベックとは
透湿防水シートとしてよく使われるものには、タイベックがあります。これは旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社が扱っている透湿防水シートで、デュポン社が独自開発した高密度ポリエチレンの不織布です。
30年以上の実績があり、日本国内では400万棟以上、世界では1,000万棟以上の住宅に使用されています。
その優れた特性を元に住宅向けだけではなく、医療用品や化学防護服、農業や工業用の資材など幅広く採用されています。
他のメーカー
透湿防水シートは、タイベックだけではなく他のメーカーも取り扱っています。
例えば市村産業はSUPERコートEXという製品を扱っていますし、信越ビーアイビーはそりてっくす フロンタ WA/クアトロという製品を用意しています。
他にも、山喜産業のアクアシルバーウォールライトやアクアホワイトウォール2などがあります。
それぞれ、使用している材料や構成が異なり、特徴をもった製品です。
このようにさまざまな製品がありますが、タイベックは劣化しにくいという特徴があるため、タイベックを使用するのがおすすめです。
透湿防水シートの仕組みについて
透湿防水シートは、湿気は通すが水は通さないという性質をもったシートです。
どのような仕組みでこのような機能を実現しているか気になりますよね。
透湿防水シートは、繊維をきれいに織らずに複雑に絡み合わせた不織布を使用しています。
不織布が使われている身近なものとしては、ガーゼや自動車の内装、両面テープ、空気清浄機のフィルターなどさまざまなものがあります。
掃除で使用するフローリング用のワイパーやコーヒーフィルターも不織布が使用されている代表的な製品です。
透湿防水シートの不織布には、とても小さい穴が空いています。
一般的に、水蒸気の粒子は0.0004マイクロメートルといったとても小さなもので、このサイズであれば通過できるくらいの大きさです。
一方で、霧雨が約100マイクロメートル、通常の雨は2,000マイクロメートルと水蒸気に比べるととても大きな粒子になっているため、透湿防水シートにあいている穴を通過することができません。
このように、雨や霧雨は通れないけど水蒸気の粒子であれば通れる穴が空いていることで、雨は通さずに湿気だけを通過させられるような機能を実現しています。
透湿防水シートが破れたら
もし透湿防水シートが破けてしまった場合には、防水テープで破れた部分を補修したり、破れた部分の上から透湿防水シートを貼れば問題ありません。
そのままにしておくと破れた部分から水が進入してしまいますが、防水テープを貼れば進入を防ぎつつ、破れていない部分から湿気は通してくれます。
このように、補修の難易度も高くありませんので効果的に使用していきたい材料の一つです。
透湿防水シート まとめ
透湿防水シートは、不織布の穴の大きさをコントロールすることで、湿気は通しながら雨などの水は通さない性質を持ったシートです。
住宅建築においては、外壁の外側の方に貼ることで、内部の湿気は外に通しながら、雨などは住宅の中に入らせないような機能を実現しています。
さまざまなメーカーから透湿防水シートが発売されていますが、中でもデュポンが開発したタイベックがおすすめです。
耐久性が優れているため、長持ちする点が大きな特徴といえます。
動画:透湿防水シートについて
透湿防水シートは、記事で書いたように、水は通さないけど、湿気は通す建材です。
ですから、湿気について知っておくと、さらに理解が深まるかなと思います。
湿気について書かれた記事がありますので、読んで頂けたらと思います。
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