断熱材の厚さはどのくらいが適当か?
断熱材の厚さはどのくらいが適当か?
心地良い暖かさを得るためにはどの程度の断熱が必要なのでしょうか?
新住協から発行されている資料には、たくさん有益な資料があります。
その中にとても参考になる資料があったので、ご紹介します。
鎌田先生の資料より、
『断熱が効くとどうなるのか?』
結局、50ミリの断熱材でも窓の性能を上げれば、日本の大半の地域で快適な住宅を作る事が出来そうです。
高断熱住宅とは、
断熱材の厚さを、家全体を暖房した快適な環境を手に入れるときに、地球環境、省資源、省エネルギーを意識しながら、経済的にも現在の暖房費を増やさずにできる最低レベル以上の住宅を作るもの
と鎌田先生は言われています。
そしてその断熱の厚さは、床・壁100ミリ、天井150ミリ、窓はペアガラス入りの断熱のサッシ、隙間面積3.5㎠/㎡以下ということになるそうです。
部位別の断熱材の厚さと室内表面温度のグラフから、断熱材の厚さを増やしたときの表面温度を見ると、100ミリというのが表面温度の点では一番効率の良いところにあることがわかります。
部位別の断熱材の厚さと室内表面温度のグラフ
断熱材は厚ければ厚いほど良いというものではありません。
その地域に合った、適当なレベルを目指すのがまず基本です。
その適当な数値が分かった上で、予算に余裕があり、より良い断熱性能を求める場合には、
次に一種換気を採用し、
次に窓の性能を上げて、
さらには付加断熱
という順番が良いのではないかと思います。
ですから、
費用対効果を考えずに、
断熱材の性能を上げる
とか
窓の性能を上げる
とか
断熱材の厚さを増す
とか
やたらと高級な設備を購入する
というような考え方はやめましょう。
まずお住いの地域で、快適に暮らすためには、
どの程度の性能が必要で、
予算に余裕があり、
さらに快適にしたいのなら、どの順番でどれくらいの予算で投資をしていくか、
という風に考えて頂けたらと思います。
私が思うに、新築・リフォームをお考えの方は、
Q値で話せる工務店さんを選ぶことをオススメします。
理由は、Ua値は外皮性能の話しになるので、どうしても断熱材や窓などの材料に目が行きがちになります。
私が
Ua値基準の工務店と話していると
とにかく
断熱材や窓の性能などに
話しが偏りがちです。
そうなると、どうしても
高級な断熱材を勧めたり、高級な窓や、高級な設備を勧めがちになります。
また良くあるのは、
C値にやたらとこだわる
という傾向がよく見られます。
こだわるあまり、不正な測定をして数値を上げる人が多いそうです。
知識がない工務店は、気密を取る意味が分かっていないので、必要値も分からずにとにかく気密値を上げようとするそうです。
これは測定している人に聞きました。本当に残念な話しです。
家の性能は、家全体の熱の損失量の話しなので、
高額な材料を使うことで、熱損失量はそんなに変わらないのに、予算がとても高額になったりしてしまいます。
もしくは、高額な材料費の増額分を抑えるために、
職人さんに無理を言わないといけないような状況も生んでしまいます。
なので、我々工務店の在り方というのは、とても重要なのです。
家もそうですが、建築業界全体や職人さんのことも考えて、バランスよくなるような在り方を目指さないといけないのです。
工務店選びの際は、よく考えて選んで頂けたらと思います。
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スギウラ
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