APW330について調べてみた!
「せっかく冷房をかけているのに、窓のそばに行くと夏場はものすごく暑い!」
「どうしても窓の近くは結露ができていて、カビが生えてこないか心配になる。」
家で生活していて、このように感じる人も多いでしょう。
住んでいる住宅の窓について、特に種類などを気にしたことはないかもしれませんが、リフォームで窓を替えるだけでも気になっている点が解消できる可能性があります。
また、新築で住宅を建てるのであれば最初から不安もなく、快適な環境で生活していきたいですよね。
今回の記事では、国内最高水準の断熱性を誇るYKK APの断熱窓APW 330について、以下の内容を解説します。
- APW330の特徴
- APW330のメリットとデメリット
- APW330が断熱性が高いメカニズム
- APW330の種類
- APW330と331/430の違い
かなりボリュームは多いですが、順番に確認していきましょう。
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モモコ
APW330とは
APW330はYKK APから発売されている断熱ガラスで、樹脂と複数枚を層に重ねた複層ガラスを用いることで、国内最高水準の断熱性を実現しています。
断熱性の高い窓を採用することで、夏場は冷房で冷やした室内の空気を暑い外の空気から守ることができ、冬場は暖房で温めた空気を外の冷たい空気から守ることが可能です。生活している中での快適性はもちろんですが、断熱性を高めることにより光熱費も削減できます。
さまざまな所で環境対応やエコが重要視されている中で、消費電力を減らすことは家計が助かるだけでなく、環境にも良い影響を与えてくれます。
また、APW330は高い機能性だけではなくデザイン性にも優れています。複層ガラスを使用しているにも関わらずフレームはスリムで、また透明な窓だけでなくブロンズやブルーといった色のガラスも用意されています。
詳細は後述しますが、窓枠のふちや操作部・ビスなどについても強いこだわりを持って作られているため、スタイリッシュな住宅に合った新しい窓と言えます。
APW330 メリット
APW330のメリットとしては、次のような項目が挙げられます。
- 断熱性が高い
- 結露が起きにくい
- 光熱費を節約できる
- スタイリッシュなデザイン
- 安全性が高い
- 外観の経年変化をしにくい
機能性の高さに加え、デザインや安全性に対してもこだわりを持って作られている製品です。メリットとなる部分を実現するための工夫については、後述していきます。
APW330 デメリット
一方で、実際にAPW330を導入した家庭ではデメリットも挙げられています。
- 窓枠の存在感が大きい
- 窓の種類によって鍵の開け閉めの方法が異なる
APW330を採用する前にスリムで窓枠が目立たないタイプを使用していた場合、窓枠の存在感を強く感じる人もいます。このあたりは人それぞれの好みや感じ方の違いがあるので、可能であれば実物を実際に確認しておいた方が良いでしょう。
せっかく機能性が高かったとしても、長く使う住宅の窓なので違和感がある状態が続くとなると、後悔してしまうかもしれません。実際に確認した上でデザインに違和感がなかったり、魅力に感じるようであれば採用すると良いでしょう。
また、住宅の中でも場所によって設置する窓の大きさや、開け閉めの仕方が異なる窓を設置する必要があるでしょう。確かに窓の鍵を開け閉めする方法が種類によって異なるのは分かりにくいですが、他社でも同様です。
窓の種類に合わせて、最適と考えられる鍵の開け閉め機構になっていると思いますので、繰り返し使用して慣れてしまうのがよいのではないでしょうか。
このように、誰にでも大きなデメリットと感じる部分はないですが、人によっては気になることもあるので必ず事前に確認しておくことをおすすめします。
APW330 カタログ
APW330が掲載されたカタログはYKK APのホームページから電子版を確認することが可能です。
ただし、特徴などに関してはカタログ同等の情報がホームページに記載されていますので、そちらの方が見やすいです。
また、カタログと実物では多少色合いが違って見える場合があるため、実際に採用する際には色味の違いを実物を見て確認すると良いでしょう。
APW330 ガラス色
APW330ではブロンズ・ブルー・ニュートラルの3種類のガラス色を選択可能です。
多くの場合ニュートラルを選択すると思いますが、個人の部屋など共用部分ではない場所や、気分転換をするような場所では、他のガラス色を選んでみても良いでしょう。
APW330 すりガラス
APW330ではクリアなガラスだけではなく、外部からの視線が気になる場合にはすりガラスを選ぶことも可能です。ホームページでは、型ガラスという表記で、複層ガラスに対して選択可能なので、場所に応じて使い分けると良いでしょう。
APW330 フレーム
APW330には樹脂フレームが採用されています。
これもアルミ製に比べると断熱性の向上に繋がっています。また、室内側の内観色は5色から、外観色は木目仕様を含めた6色から選ぶことができるので、家の雰囲気に合わせたデザインを実現可能です。
APW330 U値はどれくらい?
U値とは熱貫流率のことで、部材の熱の通りやすさを示しています。値が大きいほど熱が通りやすいので断熱性が悪く、値が低いほど断熱性が大きいと言えます。
窓はさまざまな大きさや種類があるので、APW330の中でも値がまったく同じではないのですが、APW330で真空トリプルガラスを採用した窓のU値は大体1.2~1.4程度です。
これは高断熱窓と呼ばれる窓の中でもトップクラスに低く、樹脂サッシ・3層ガラスに分類される他社の窓に比べてももっとも低いと言えます。
APW330 アルゴンガス
断熱窓の多くは窓ガラスが2枚以上の複層ガラスになっていますが、ガラスとガラスの間はただの空気ではなく、アルゴンガスが採用されています。
アルゴンガスは空気中に窒素、酸素に次いで多く含まれている成分で、毒性がなく他の物質とは反応しない性質を持っているため、産業分野でも使われることが多いです。
また、空気よりも重いことで対流を発生させず、アルゴンガス自体の熱伝導率が低いため、複層ガラスの中に入れることで窓ガラスの断熱性を高められます。
他に、断熱ガラスの中に採用される気体としては、乾燥空気が挙げられます。
APW330 アルミスペーサーと樹脂スペーサー
APW330には、アルミスペーサー仕様と樹脂スペーサー仕様があります。
スペーサーとは複層ガラスに用いられており、先ほど紹介した複層ガラスの間に挟まれているアルゴンガスを保つためにガラスとガラスの間に挟まれています。
一般的にはアルミのものが多いですが、APW330には樹脂スペーサーも用意されています。
アルミは一般的に熱伝導率の高い金属で、断熱という観点からすると不向きです。
一方で、樹脂の熱伝導率は大体アルミの1000分の1程度なので、熱を通しにくいため、断熱性を確保する為には樹脂スペーサーの方が優れています。
足元に冷たい空気が流れてしまったり、結露が出やすい状態になっている場合には、樹脂スペーサーが採用された窓ガラスに変更することで大きな効果を得られるでしょう。
APW330 トリプル
複層ガラスには、2枚だけではなく3枚のガラスを重ねたトリプルガラスも用意されています。アルゴンガスと樹脂スペーサーを採用した複層ガラスに加えて、室内側に0.2mmの真空層を挟み込んでもう一枚のガラスを採用しています。
真空層には分子が微量しか存在しないため、熱を伝達する物質がなく高い断熱性を実現できます。2枚のガラスではU値が1.3程度でしたが、トリプルガラスでは0.99です。
APW330とAPW331の違いは?
APW330と似たような名前で、APW331がありますがどのような違いがあるのでしょうか?
APW331は勝手口のドアや、テラスドアなど人が出入りすることを目的とした場所に採用されるもので、それ以外のことをAPW330と呼びます。
基本的な機能やラインナップはAPW330でもAPW331でも変わりませんので、それほど気にしなくても問題ないでしょう。
APW330と430の違いは?
APW330発売後しばらくして、APW430という製品が発売されています。
特徴としては先ほど紹介したAPW330の真空トリプルに近いのですが、そこからの差分としては、以下のような特徴が挙げられます。
- 真空層の代わりにアルゴンガス層が2重になっている
- ガラス2枚に対して、特殊金属膜を設け熱反射率を高めている
- ガラス断熱中空層が2層になる(従来は1層+真空層)
他にもいくつか改良点はありますが、メインの変更点としては以上の3点です。これらの採用によって、U値をさらに下げることに成功しています。
一方で、薄い真空層からアルゴンを注入した中空層に変更することで、窓ガラス自体の厚さが厚くなる点が、デメリットです。また、既にAPW330真空トリプルでもかなりの断熱性を実現しているため、通常生活している中では劇的な効果は感じにくいでしょう。
デザインが嫌いではなく、最新の機能性の高い製品を採用したい場合にはAPW430を検討してみるのもおすすめです。
APW330 まとめ
YKK-APのAPW330は業界最高水準の断熱性能を実現している窓です。
換気能力や採光性を考えて窓ガラスは住宅の中に複数個所設置する必要がありますが、枚数が多ければ多いほど熱の出入りは激しくなります。
今回紹介したような断熱性能の高い窓ガラスを採用することで、熱の出入りを減少させることができ、日常生活の快適性向上に加えて光熱費の削減や結露・カビの防止など大きなメリットがあります。
夏や冬が来るたびに、暑かったり寒かったりすると後悔に繋がってしまうことも多いです。
近年は地球温暖化で、地域によっては40℃以上の気温を記録し、室内でも熱中症になる危険性があるので、住環境に直結する製品は、慎重に選んでいきましょう。
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