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一級建築士の私が漆喰(しっくい)のDIYをオススメしない理由

    
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一級建築士の私が漆喰(しっくい)のDIYをオススメしない理由

漆喰(しっくい)を使うと内装がとてもオシャレにできることから話題になっていますね。また、DIYで漆喰塗りをする方も増えています。

確かにDIYをすれば、業者さんに依頼するよりも安くできるのですが、この道のプロの私からするとあまりオススメができません。

今回の記事では、一級建築士として工務店を経営している私が「漆喰DIYをおすすめしない理由」をお話しようと思います。(張り切って「自分でやろう」と思っていた方はごめんなさい…!)

漆喰とはどんなモノか?を理解して頂きながら読んでいただけたら嬉しいです。

漆喰(しっくい)とは

漆喰

漆喰とは消石灰(水酸化カルシウム)を主原料とした塗り壁の材料です。

消石灰(水酸化カルシウム)とは、石灰石を焼いて水を加えたものになります。

石灰石は主に方解石(炭酸カルシウム)という鉱物からできている岩石です。

日本列島に分布している石灰石鉱床の多くは、今から2~3億年ほど前に当時の赤道付近の海でサンゴや有孔虫など炭酸カルシウムの殻を持つ生物が礁を作り、それが地球の地殻プレートの移動とともに西の方へ移動して、現在の日本付近の海溝に沈み込み、大陸側のプレートに追突・付加したと考えられています。

漆喰(しっくい)にも色んな種類がある

漆喰(しっくい)にはいろんな種類のものがあります。

大きく分けると、日本で使われていた物と、西洋で使われていた物があります。

日本建築では昔から外壁や内装にも使われていましたし、西洋でも内装や外装の仕上げにも使われて居ました。

日本の漆喰の特徴は、 消石灰を主成分に、骨材、すさ(麻)、海藻のりなどの有機物を練り合わせて作ってあります。

西洋の漆喰は、消石灰に砂と水を加えながら混ぜて練り上げた物になります。

日本でも、西洋でも、昔の真っ白な建物などは、漆喰で仕上げてある場合が多いです。

漆喰(しっくい)と珪藻土(けいそうど)の違い

漆喰は消石灰と砂や水と混ぜて練り上げて、仕上げに使われます。

珪藻土は、藻類の一種である珪藻の殻の化石よりなる堆積物で、珪藻の殻は二酸化ケイ素でできていて、珪藻土も二酸化ケイ素が主成分になっています。

よって、珪藻土と漆喰は、主となる成分が全く違います。

 

漆喰(しっくい)のDIY

漆喰の DIY による施工はできます。

ただし、かなりの事前の勉強が必要だと思います。

漆喰を塗る作業については、仕上がりの精度を求めなければ、素人の人でも意外と施工は可能です。

しかし、プロのような仕上がりをイメージしない方が良いかと思います。

あと、とても大変なのが、道具や材料の準備と、作業する場所以外を保護する養生の準備がとても大変になります。

漆喰を塗るための壁の下地の準備なども、知識と経験が必要になります。

ですから、 DIYで漆喰を塗りたい方は、事前にしっかりと勉強をすることをお勧めいたします。

漆喰(しっくい)をDIYでやる為の準備について

漆喰を塗るために必要なものになります。

 1.材料

 2.道具

 3.養生

 

1.材料

材料は、砂を混ぜたものが用意されてありますので、材料の調合は不要で、塗るだけというような材料を購入してください。

おすすめは、スイス漆喰のカルクウォールなどです。(写真右下のもの)

説明書をよく読んで、面積を測って必要な量を購入します。 

2.道具

写真右側のような道具が必要です。

道具は、鏝(こて)と鏝板(こていた)とヒシャクが必要になります。

また、道具を使った後に洗うためのブラシなんかも必要です。

3.養生

養生は、漆喰を塗る場所以外に漆喰がついてしまわないように、他の場所を保護するものです。

特に床は、漆喰を塗る際にボタボタ落ちてしまうので、しっかりと養生してください。

一人で漆喰DIYをするのが不安…そんなときはお気軽にお問合せください。

関西の方はぜひ一度ご検討ください。

漆喰(しっくい)の作業はこんな感じ

以前、私の事務所でワークショップをしましたので、その動画をご覧ください。

職人さんは、見た目は簡単にやっていますが、実はとても技術が必要な作業になります。

ですから、最初から簡単にできるとは思わないようにしてください。

逆に簡単にはできないと思っておいた方がよいと思います。

動画はこちら

  ↓

漆喰(しっくい)についてのまとめ

漆喰は天然の素材でとても良い仕上げの材料だと思います。

 最近は DIY でやっている人も多いようですが、その多くは職人さんに助けてもらって施工しています。

前準備の下地の処理や養生そして道具の準備まで職人さんにお願いして行ってもらっている場合が多いと思います。

お客さんが、自分自身で施行される場合には、相当にしっかりと事前に勉強をしておいて、しっかりと準備もしておいて、施行されることをお勧めいたします。

できれば、 職人さんお二人ほどヘルプでお願いしておくというのがベストだと私は思います。

私の意見としては、材料や道具事前の準備などはすべて職人さんにお願いして塗る作業だけを職人さんの手助けをしてもらいながら漆喰を塗る体験をするという程度でにしておくことお勧めいたします。

漆喰を塗った後はおそらく道具も使わなくなってしまいますでしょうし、養生の材料などもその後はほとんど使わなくなってしまうと思います。

そのあたりのこともしっかりと考えた上で、どのような形で DIY にチャレンジするかということをご検討いただけたらと思います。

一人で漆喰DIYをするのが不安…そんなときはお気軽にお問合せください。

関西の方はぜひ一度ご検討ください。

おまけ:職人さんのフランス漆喰の金鏝仕上げ

弊社のお客さんの所で施工させていただいたフランス漆喰についての写真と動画をご覧ください。

漆喰は金鏝で仕上げるとピカピカになってとても綺麗な仕上げになります。

ただ、このような仕上げ方は職人さんでないと難しいと思います。

このような仕上げ方がご希望の方は職人さんにお願いしてください。

下地処理

下地の状態が目立ってしまわないように下地の処理をしっかりします。

ここを手を抜くと仕上げに下地の状態が影響を受けてしまいます。

上の写真のような下地の状態だと、仕上げを塗った際にも、下地の柄が透けて見えてしまいますので、下のようにします。

下塗りと仕上げ塗り

材料を塗り重ねていきます。

下塗りをして乾かします。

下塗りがある程度乾いたら、仕上げ塗りをします。

金鏝仕上げ

金鏝で磨いていきます。

ワックス仕上げ

フランス漆喰は最後にワックスで仕上げます。

仕上がるとこんな感じの仕上げになります。

         ↓

とっても素敵に仕上がりになります。

一人で漆喰DIYをするのが不安…そんなときはお気軽にお問合せください。

関西の方はぜひ一度ご検討ください。

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