設計時に必要な知識 気密・気流止めについて
気密を高める理由
気密を高める意味は、ただ単にとにかく隙間を小さくしていくということではありません。
気密を高める理由があり、その目的を達成できる数値になれば、十分だと思います。
漏気による熱負担を軽減
隙間があることにより、室内から外部へ、また外部から室内への空気の移動が起こります。
その空気の移動が頻繁に起こることにより、熱の損失も同時に起きています。
そうなると、せっかく温めた空気や冷やした空気が外部の空気と入れ替わり、入れ替わった分だけまた温めたり、冷やしたりする必要があり、非常に不経済になります。
気密作業は省エネに欠かせないとても大切な作業になります。
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防湿層としての役割
室内側の防湿シートを気密層としての役割を果たす場合は、壁内結露を防止する意味でもとても重要な役割を果たします。
防湿シートは空気の透過も少なくなるので、気密層としての役割も果たせます。
室内側で防湿層と気密層の役割をする場合には、『気密が悪い = 隙間から湿気が通りやすい』というとになるので、壁内結露を発生させるリスクが高まります。
高断熱住宅の場合には、室内の気温と外部の気温の差が大きるなるので、壁内結露を起こした場合に、結露の被害がひどくなる事がありますので、防湿気密シートを施工の際に気をつける必要があります。
計画換気の大前提条件
以前にも説明したことなのですが、換気の設計をどれだけしっかりしたとしても、気密が取れていなければ、全くといって良いほど意味がありません。
以前も『ストローに穴が開いていたら…』という例えで紹介しました。
ストローに穴が開いていたら、コップの水やジュースが吸えないのと同じで、換気扇をいくらに回したところで、空気の移動は起こりません。
ですから、通常は給気口と排気口をできるだけ離れた位置へ取るのですが、気密が悪いと排気口の一番近い隙間から空気を吸ってしまいます。
そうなると空気の移動できていない部分ができてくるので、湿気の溜まりや、埃の溜まりもできやすくなります。
気流止めについて
気流止めとは、壁体内の空気の移動を止める為の作業になります。
壁体内に空気の移動があると、断熱効果が失われてしまいます。
注意するポイントとしては、
床下から壁内への隙間。
1階と2階の間の胴差・桁周り。
2階の梁・桁周り。
になります。
最近主流の剛床工法の場合には、構造用合板を土台や梁・桁へ直接釘留めするので、床周辺からの気流止めは考えなくてもよくなっています。
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気密測定
どれくらいの気密が取れているかは、最終的には気密測定をしてみないと分かりません。
高断熱住宅を建てる際には、気密測定を行っています。
気密測定は、専門の業者さんが測定を行っていますが、中には測定機を持っている工務店さんもおられます。
気密の値は、建物の内外の圧力差から全体の隙間の量を測り、その隙間量(㎠)を床面積(㎡)で割ったもので、『相当隙間面積』といいます。
『相当隙間面積(㎠/㎡)=隙間量(㎠) / 床面積(㎡)』
私もまだまだ勉強が必要なことなので、今後も勉強していきます。
気密測定
気密を取る為の部材
壁・床・天井の断熱層を貫通する穴を開ける場合にも気密が取れるようにしなければなりません。
そういった場合の為に様々な部材があります。
コンセントボックスへは、コンセントボックスのカバーがあります。
床及び天井に点検口を設置する場合には、高断熱用の点検口をがあります。
エアコンの配管用の穴は、塩ビパイプを差し込んで、その周りをテープで気密処理をします。
コンセントの気密・防湿部材
土台と壁の気密・防湿部材
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