人体の熱の伝わり方などのついて
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人体の熱の伝わり方などのついて
人体の伝熱経路
恒温動物である人間は、常に体温も36度から37度前後に保っています。
食べ物を消化分解してエネルギーを取り出し、体を動かす活動エネルギーと体温を維持する熱エネルギーに変えています。
体内で変換されるエネルギーの生産量の速さは、それほどうまく調整することはできません。
身体から放散する熱量の速さが大きすぎたり小さすぎたりすれば、熱収支のバランスを失い、身体活動に支障をきたします。その信号が「寒い、暑い」と言うことです。
心地よいと感じるのは、その熱収支バランスが適切な状態を保っている場合です。
皮膚の表面温度は33度から34度程度ですので、これより周囲の空気温度が低ければ人体から空気へ熱が逃げていきます。
あまりに熱の流出が多いと、体を震わせることで筋肉収縮エネルギーから熱を発生します。
寒い時に身体が震えるのは、熱を発生させようとしているのです。
逆に空気温度は38度と言うような酷暑では、熱が外気から体内に流入してしまいます。
そのような状況でも体温を一定に保てるのは、発汗による蒸散という熱を逃がす伝熱経路があるからです。
周辺環境によって放熱の割合は変化しますが、おおよそ
放射で35~50%
対流で25~45%
蒸散で20~30%
となっており、ほとんどの放熱は放射、対流、蒸散で行われています。
伝導や呼吸によって放熱される熱の割合は2%程度とわずかです。
人間の熱の収支のバランスによって室内環境の快適さが大きく変わります。
快適な熱収支のバランスを取れる環境を作ることがとても大切です。
人体の伝熱経路イメージ
上の絵のように身体の熱が移動していきます。
ですから、身体の熱を取られないような家の構造にすることで、快適な空間を作ることができます。