玄関土間について解説します!
土間というと、何となく古い日本の住宅のようなイメージを受けますが、最近の住宅では使い勝手の良い玄関土間を新築住宅に採用する人が増えてきています。玄関土間を作る目的も多様化してきており、他の人のアイディアを知ることで参考になることもあるでしょう。
また、そもそも玄関土間がどのようなものか分からない人も多くいると思いますので、この記事では次のような内容を紹介します。
- 玄関土間とは
- 玄関土間を作る目的(実例)
- 玄関土間の間取り・広さ
- 玄関土間の収納
- 玄関土間断熱
- 玄関土間リフォーム
- 玄関土間 DIY
新築の場合でもリフォームの場合でもこの記事を読むことで、玄関土間に関する一般的な知識と活用のためのアイディア、注意すべきポイントが明確になります。
玄関土間を採用するかどうか、どのような間取り・デザインにするか参考にしてください。
Contents
玄関土間とは
土間は室内でありながらも、土足で入ることができる空間で玄関土間は玄関に設置された土間です。通常、玄関は土足を脱ぐ場所なのでもともと土足で行動するスペースはありますが、一般的に玄関土間という場合には、靴を脱ぎ履きする最低限のスペースに比べて十分広いスペースを確保します。
冒頭で紹介したように、古いイメージのあった土間はその役割が見直されており玄関土間として広いスペースを確保する住宅が増えています。よくある玄関とは異なる印象を与えることができ、それだけでおしゃれなイメージです。
玄関土間の用途・実例
玄関土間はさまざまな使われ方をしています。どのように活用されているのか、実例をいくつか紹介します。
収納
玄関土間は収納として最適です。
例えば、子供の自転車やベビーカーはできれば玄関に置いておきたいですが、通常の玄関だと他に何も置けなくなってしまいます。玄関土間で広いスペースを取っておけば、気兼ねなくおいておくことが可能です。
また、大人用の自転車も雨の日を考えると玄関に置いておけると便利ですね。もし趣味で高額なスポーツバイクを持っている場合には、なおさら室内に置いておきたいでしょう。他にも、分別が必要なペットボトルや缶などのゴミを種類毎に分けて置いておいたり、灯油や薪など暖房の燃料を置いておくこともできます。
アイディア次第でさまざまなものを置いておくことが可能なので、玄関土間は万能な収納といえます。
子供の遊び場
子供の遊び場として一般的なのはリビングや子供部屋、屋外の場合には庭が考えられます。屋内と屋外ではできる遊びは異なりますが、玄関土間であれば屋外ですることが望ましい遊びを屋内でできます。
外で遊びたがっているけどどうしても一人で庭に出せない場合や、雨で外で遊べないときでも、部屋の中で遊ぶ以外に玄関土間で遊ぶという選択をができるのは魅力的です。
家庭菜園
玄関土間の広いスペースは家庭菜園としても活用出来ます。
土間は土足で入るスペースなので、プランター菜園であれば土が多少こぼれたとしても気になりません。
育てる野菜やハーブなどを選べば好みの香りで玄関を満たせますし、緑があることでおしゃれな雰囲気も実現できます。育てた野菜やハーブを食べることもできるので、一石三鳥です。
作業スペース
自転車のメンテナンス場所や、アウトドアグッズの準備をする場所としても玄関土間は最適です。雨が降っていたり、夜にしか準備ができないけど明るさが必要だったりする場合にも自分の都合で準備を進められます。
外でできる状況だったとしても、玄関土間であれば室内にいる家族の声が聞こえるため、コミュニケーションを取りながら準備も可能です。
庭への通路
庭があっても外から入れないようにしている場合には、玄関土間を通路として活用出来ます。玄関土間があることで、庭を外と仕切ってしまい気兼ねなく子供を遊ばせたり、洗濯物を干したりするのもよいでしょう。
玄関土間収納間取り
玄関土間に収納を作る際には、いくつかのポイントを抑えておくと良いでしょう。
- 動線・目線
- 臭い
- 収納量・収納するもの
これらを考慮することで、生活に合った便利な玄関土間収納を実現できます。
玄関土間の動線・目線
玄関土間を設置する場合、玄関から室内に入る際の動線を考える必要があります。特に玄関土間に収納を設けて準備をする場合、玄関収納にしまってあるものに対してどうアプローチするかで間取りが分かれます。
一つ目は通路を一つにして収納を玄関と一緒に設置する方法です。収納は玄関と同じ空間にあるため来客時にも見えてしまいますがシンプルな構成となります。
二つ目は通路は一つですが、玄関収納は玄関から少し奥に入った所に設置する方法です。来客からは見えにくい状態になりますが、玄関収納にしまってあるものを利用する場合には、動線がスムーズでは無くなってしまいます。収納力をもっとも確保出来る点が利点です。
三つめは通常の通路と玄関収納を通る通路に分ける方法です。来客からの視線を気にすることなく収納を設置できますが、通路を分ける分スペース効率は悪化してしまいます。
このように準備をする際の動線や来客からの玄関収納に対する目線が、間取りを決定する際の一つのポイントとなります。
玄関土間収納からの臭い
玄関土間収納には主に靴をしまいますので、何らかの対策をしないとどうしても臭いが気になってしまいます。臭いが流れて欲しくない場所に流れないような空気の流れを作ったり、換気扇を設置したりすることで、できるだけ影響が出ないようにすることが多いです。
特に雨に濡れた子供の靴などは、すぐに対処できない場合がありますので、臭い対策は欠かさず実施しておくべきでしょう。
玄関に置いた靴の臭いに関しては、換気計画をちゃんとすることで、大幅に改善されます。
高断熱住宅であれば、ちゃんと換気も計画して排気口を設置するので、ほとんど気にする必要はなくなると思います。
ですから、換気計画はちゃんとやってもらってください。
玄関土間へ収納するもの・量
玄関土間の間取りは、玄関土間にどのようなものをどれくらい収納するのかによって大きく影響を受けます。多く使われている収納としては、靴が沢山収納できるようにした上で、傘やカッパなど雨の際に使用するものが収納できるタイプです。
他にも分別するゴミや、自転車、ベビーカーなど家庭の状況や趣味に合わせて収納をカスタマイズすると、満足度の高い玄関土間収納が実現できます。今の状況だけではなくて、出来る限り将来を見据えることでずっと満足度を持続させられるでしょう。
このように玄関土間の間取りに影響を与える要素は多くあります。他にも明るさや音の伝達性などを考慮することで、お気に入りの玄関土間を実現できます。
玄関土間広さ
玄関土間の広さは、全員にこの広さがおすすめといえるような広さはありません。ここまで紹介してきたような、玄関土間の用途や臭い対策などによって間取りが変わり、広さが変わってきます。
広ければ広いほど玄関土間の使い勝手は良くなりますが、一方で居室に使える面積も限られていますので、それらのバランスをどう取るか?という点が判断基準となります。
それぞれの家族構成や趣向により適切な広さは変わりますので、将来のことも考えながら家族や建築業者に相談しながら決めるのがおすすめです。
玄関土間断熱
玄関は断熱性の高い住宅を建てる際には注意が必要な場所です。外部と直接つながっている所なので、断熱性を高めるための対策が必要で、玄関土間が広いということは対策が必要な範囲が広いと言えます。
玄関土間断熱方法
住宅の断熱は床と床下の間で断熱をする床断熱が一般的ですが、玄関土間の場合には床下がありませんので床断熱ができません。そこで基礎との間に断熱材を入れる基礎断熱を採用することで、玄関の断熱性能を高めています。
断熱は実際に住み始めてしまうと目に見えなくなってしまいますので、どのような施工がされるのかきちんと確認しておくのがおすすめです。しっかり断熱がされているかどうかで日常生活の快適さや、光熱費が大きく変わってきます。
玄関土間まとめ
通常の玄関の広さではなく、玄関土間を広く取ることでさまざまな使い方ができるようになります。収納として靴だけではなくカッパや傘、さらには自転車や趣味のものなどさまざまなものを収納可能です。他にも、子供の遊び場や通路として用いることで、生活の満足度を高められます。
また、玄関土間の間取りは全員におすすめと言えるものはなく用途や他の部屋とのバランスによって決めることが重要です。
注意すべきポイントとしては玄関土間の断熱です。一般的に良く用いられる床断熱ではなく、基礎断熱が用いられます。この断熱がしっかりされているかは必ず確認しておきましょう。
今回紹介した玄関土間のアイディアや注意点を元に、新築やリフォーム時の玄関土間の仕様決めに活かしてください。