ランニングコストが安い高断熱住宅に組み合わせる外壁は「そとん壁」がオススメ

住宅の第一印象を左右するのは、やはり外観です。家の形はもちろんですが、外観に対してもっとも大きな影響を与えているのは外壁ではないでしょうか?注文住宅を建てるほどこだわりのある方は、外壁に対してもこだわりが強いものです。

デザイン性も重要な要素ではありますが、どのような外壁を選ぶか次第で新築時はよくても後で複数回のメンテナンスが必要となってしまい後悔することもあります。また、機能性が十分ではなく、夏は暑く冬は寒い家になってしまう可能性も考えられます。デザイン性だけでなく、耐久性や機能性も十分に考慮して素材を選ぶことが重要です。

注文住宅の中でもランニングコストが安く人気の高い高断熱住宅にするなら、出来る限り相性の良い外壁を選択したいですよね。もちろんデザイン性にもこだわりながら。そこで、オススメの外壁とその特徴を解説していきます。

外壁にもこだわりたい注文住宅

ある建築会社の調査によると、注文住宅においてこだわりたいポイントのランキング1位は間取りで、2位が外観デザインという結果が出ています。その中でも、リゾート風や和モダン風など、テーマ性を持った外観を求める人が多いようです。

確かに最近は外国に来たかのようなおしゃれな外観の家や、お城のような特別な印象を受ける家など、デザインも多種多様になっています。

一方で、外観を司る外壁にはデザイン性以外にも、生活空間を風雨から守ったり外部からの騒音を遮断したり、求められる機能は多岐に渡ります。せっかくこだわるならデザイン性だけではなく、機能性にもこだわりたいですよね。

高断熱住宅と相性の良い外壁は

熱効率が良く、暖房や冷房の効果を最大限に発揮させることでエネルギー効率の良い高断熱住宅に相性の良い、外壁の材質というものはあるのでしょうか?結論から言うと、明確に相性の良い外壁というものは存在しません。

この素材だからより効果を大きくできるとか、効果が失われてしまうということはないので、高断熱という点で考えなくとも他の観点を重視して決めていけばよいでしょう。決して高断熱住宅が外壁と相性が悪いということではありません。

外壁は、デザイン性にもこだわりたい

また、機能性にばかり着目するのではなく、一味違ったおしゃれな外観も捨てることはできません。きちんとデザイン性にもこだわった自分好みの色や形状、仕上げ方など、好きな雰囲気を実現できるかどうかも重要なポイントです。

結果的にデザインを重視して外壁を決めることもあると思いますが、その際にはきちんとランニングコストや機能性も把握した上で、納得して選択していきたいですね。

外壁は、そとん壁がオススメ

高断熱住宅との組み合わせという観点では相性の良い外壁は特にないと記載しましたが、さまざまな点を考慮した場合には、「そとん壁」という外壁を用いるのがオススメです。

外壁材のそとん壁とは?

そとん壁と言われても、ほとんどの人がピンとこないかもしれません。そとん壁は自然素材である九州南部の火山灰シラスを用いた外壁です。主に高千穂シラス株式会社から販売されていて、自然素材を多く用いた住宅で人気を集めています。

塗り壁の一種なので、左官職人さんがこてを使って外壁を仕上げていくため、温かい印象を受ける外壁を実現できます。

このそとん壁は自然素材というだけでなく、その特性からとても多くのメリットがありますので、いくつか代表的なものを紹介していきます。

そとん壁は、ランニングコストが安い

ランニングコストの安い高断熱住宅と組み合わせるという点で魅力的に感じるのが、そとん壁もランニングコストが他の外壁材に比べると圧倒的に安いことです。

外壁のランニングコストとは、その景観や機能を保つために必要な、定期的なメンテナンスでかかる費用のことです。家を建て直すわけでもないのに、家の外に鉄骨がくまれている場合、多くが外壁のメンテナンスを行っています。

このメンテナンスのタイミングや費用は、外壁をどのような材質・デザインにするかによって大きく異なってきますので、他の外壁材とそとん壁を比較していきます。

外装工事の費用は?

外壁のメンテナンスをする外装工事の費用は、外装材や面積によって異なりますが、最近人気の窯業系サイディング材の場合には10年に1度を目安として塗装の塗り替えや、サイディング材の間を埋めているシーリング材のメンテナンスが必要です。

このとき、足場工事代や外壁工事代で大体100万円~150万円程度の費用が、1回あたりにかかります。比較的メンテナンスの回数が少なくてよいと言われるガルバリウム鋼板の外壁でも15年に1度程度はメンテナンスが必要です。

例えば30歳で家を建てて80歳のタイミングではサイディング材の場合で5回、ガルバリウム鋼板の場合でも3回程度は必要です。仮に1回あたりを100万円で見積もったとしても300万円~500万円かかります。

住宅ローンを払いながら、家の他の部分をメンテナンスしながらこれだけの費用が掛かってくるのは、きちんと想定しておかないと準備をするのも難しくなってしまいます。

外装工事の頻度が少ない(不要)

一方でそとん壁を採用すると、このメンテナンス費用がほとんどかからなくなります。そとん壁は凍害や酸性雨、塩害、火災にも強く厳しい自然環境であったとしてもかなりの耐久性を発揮します。また、紫外線や風雨による劣化も起きにくいため、そもそもメンテナンスをする必要性がほとんどありません。

外装工事をする必要性が下がっていきますので、良好な状態を保てれば全くメンテナンスが必要なくなる可能性もあります。もし、自然素材ならではの構造に影響のないひび割れなどが気になる場合には塗り直しも検討の余地がありますが、それでもメンテナンスの回数は圧倒的に減らせます。

これが、そとん壁を採用した場合のランニングコストが低い理由であり、高断熱住宅と合わせて魅力的な要素です。浮いた費用を他にこだわりたい所に回したり、子供の教育資金や将来のために貯めておくこともできます。

そとん壁は、防水性・吸湿性に優れている

そとん壁が優れているのはメンテナンスを少なくできる耐久性だけではありません。日常生活に必要不可欠な防水性や吸湿性といった機能も優れています。

外壁に使われることの多い軽量モルタルの場合には、壁に当たった雨などの水分が徐々にモルタルの中にしみこんでいき、最終的には建物の内部に染み込んでしまいます。一方で、そとん壁は原料であるシラスが超微細な粒子で構成されているため、雨水の大きな粒子は壁面を透過させず、建物内部に染み込んでいくのを防いでくれます。

後から防水処理として表面に加工をする必要がないため、雨水は通さないが空気は通っていけるちょうど良い大きさの隙間が残っています。建物内部に溜まった湿気が外に放出されていくため、湿気を原因とした結露やカビの発生を抑えられます。

健康被害が発生することもあるカビの発生を抑えるのは簡単ではありませんので、そとん壁の優れた機能の1つといえます。他にも、不燃材料であるため、万一火災が起きても燃え広がりにくく、直射日光が当たっても熱を貯めにくいので、ヒートアイランド現象の防止にも効果的です。

そとん壁は、デザイン性に優れている

冒頭にも述べましたが、注文住宅の主要なこだわりポイントである外観には、おしゃれで好みにあった外壁が必要不可欠です。そとん壁はぬり壁の一種なので、金属的なデザインやシックでモダンな雰囲気を出すのは難しいかもしれません。

一方で、和モダンや落ち着いた印象を与えたい場合には、塗り壁ならではの仕上げパターンや落ち着いた色味が良い効果を発揮してくれます。

主要なメーカーである高千穂シラス株式会社では、10色のカラー展開と、それぞれに対して波仕上げや渦巻仕上げ、スチロゴテ仕上げなど7種類の仕上げ方法を組み合わせられます。10×7で70の組み合わせですね。

さらに、1面ずつ手作業で塗っていくからこそ壁面ごとに色や仕上げパターンの組み合わせを変えることもでき、オリジナリティあふれる自分だけの組み合わせで外壁を作りあげていけます。

他の外壁材であれば、面によってデザインを変えていくということは簡単ではありません。機能性やランニングコストなど他に優れている部分を考慮しなかったとしても、デザイン性のみで選択する価値も十分に高い外壁といえます。

そとん壁のデメリット

メリットがとても多いそとん壁ですが、中にはデメリットとなる部分もありますので明確にしておく必要があります。人によってはこのデメリットによって選択肢から外れてしまう方もいるかもしれません。

そとん壁は、初期費用が比較的高い

外壁もその材料や施工の仕方によって建築時にかかる費用は大きく異なります。そとん壁は塗り壁なので、左官職人の方が全面を手作業で塗っていきます。一度塗るだけではなく、2層に分けており、最終的には仕上げとして選択したデザインになるように塗りあげてくれますので、手間がかかります。

その分、板を貼ったりサイディング材を施工する場合に比べると、どうしても建築当社にかかる費用は高くなってしまいます。この初期費用の高さがそとん壁の一番大きなデメリットといえます。

しかし長く住み続ける場合を考えると、メリットで解説したランニングコストの低さで十分相殺し、余りある金額差なので他に候補となっている外壁材がある場合には建築会社に相談しながら、ランニングコストも含めた費用を算出してもらうと安心できるのではないでしょうか?

そとん壁を使いたいけど、どうしても初期費用が高くて選択できない場合には他のものと組み合わせたりして費用を抑える方法はないか、建築メーカーに相談してみるのが良いでしょう。

そとん壁のひび割壁れや粉落ちのリスク

デザイン性の高い外観を実現可能なそとん壁ですが、自然素材の塗り壁であるがゆえのデメリットもあります。それは、表面がひび割れたり成分が一部粉として地面に落ちてしまうリスクです。

あくまで表面にひびが入るだけで、構造や強度的にはまったく問題ありません。自然素材を使うのだからこれくらい普通だろうと気にしない人も多いですが、感じ方は人それぞれなので気になる人もいます。

分かりにくくする為には、表面の仕上げ方法をできるだけ平面状にキレイなものを選択せずに、波や渦巻きのようなでこぼこがあるものを選択すると良いです。新しくできたクラックが仕上げた表面の模様に溶け込んで、ほとんど気にならなくなります。

性格的に気にしてしまう人は、住んでいる間中ずっと気になってしまいますのであまりおすすめできません。経年劣化しにくく、すぐに交換できるような外壁材を選択することをおすすめします。

一方で、気にならない人にとっては、新たに発生したクラックすらも家の味だと感じることができるので、住んでいる中での変化を楽しむための良い要素として受け取ることもできるでしょう。

まとめ

注文住宅を建てる際にこだわりたいランキング上位の外観を大きく左右する外壁に関して、おすすめのそとん壁を紹介してきました。外壁材の中では比較的新しく、知名度が十分に高い訳ではありませんが、その性能は自然素材系建築会社を中心に全国各地で多くの建築会社に採用されています。

耐久性も強く、防水性・透湿性を兼ね備えているため家の中の生活環境も湿気を抑え、カビの発生をさせにくくさせるなど非常に魅力的といえます。また、ほとんどの外壁材で必要なメンテナンスが不要なため、長く住むと数百万円単位でランニングコストを削減できます。

初期費用が多少高かったり、ひび割れやクラックが入りやすいなどデメリットと考えられる要素もありますが、それでもデメリットを補って余りあるほどメリットが大きいのも事実です。また、デメリットは人によっては悪いと感じない場合もあります。

どうしてもデザイン性や、初期にかかる費用の関係でそとん壁を選択できない場合もありますが、その場合にはできる限り耐久性が高く長持ちする上に、機能性やデザイン性も兼ね備えたものを選択するのがおすすめです。

まだどんな外観デザインにするか決まっていない人は、そとん壁のカラーと仕上げの組み合わせを考え、そこを中心にしながら屋根の形状や材質、外構工事などを考えていくのも面白いかもしれません。上手くバランスを取りながら決めていきましょう。

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